表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第6章:戸惑いの季節

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/79

弾劾裁判

 試合後に光太郎がくっついて来る。

「橋本さんから一緒にアパートに帰るように言われて」

 おぉ…おまえも尻に敷かれているのか。

「そんなつもりはないんですけどね…」

 でも結局俺の見張り番なわけだよな?

「出会って10分で嫁を決めてしまうような尻軽だと…」

 …少し私怨がこもってないか?それに事実と違うぞ。()()()が勝手に…。

 いや、まあ。それに関しては間違ってはいないのか。千種には感謝しかない。

「それで折井さんをデートに誘ったんすか?」

 あの勢いの折井を素早くガス抜きしなきゃならなかったんだよ。おまえも見てたろ。

「それはそうですけど…」


 今だけデカい図体を縮こませた光太郎と共にアパートの近くに来た。

 …非常によろしくない気配が漂ってくる。

「俺…霊感とかまるでないんですけどなんか不穏ですよね、あの辺り」

 と、アパートの方を向く。


「おまえ千種の怒ったところ見たことあったっけ?」

「よく怒られてますけど、本気なのは知らないですね。橋本さんは知らないって言ってました」

 …おまえら二人だけの時にどんな話してるか今度教えろよ。俺が生きていたら、な。


 アパートに着くと阿形と吽形の2体の人影。

 なぜアパートの前で金剛力士像がそびえているんだよ。しかも女性像。


「監督の連絡先教えてください。リハビリ…必要っすよね?」

 …まだどうにかされると決まったわけじゃ。


「千種泣かせたわね!」

 前門の狼が吠える。

「試合中に堂々とナンパしてたの?」

 後門の虎が淡々と言う。

 喋る力士像がいかに怖いか、この時初めて経験することになった。


 ・・・

 首根っこを掴まれたまま俺は部屋に連行される。中に入ると千種が壁に向かって正座していた。

 …おかしい。こんなベタな迎え方はないだろ。

 光太郎は…どうやら証人として弾劾裁判に呼ばれていたようだ。さっきよりさらに身を小さくしている。


 ……。

 …千種?

 答えがない。本人が肩をわずかに震わせているだけだ。


「申開きがあるなら一応聞くけど」

 この状況で聞き入れられるわけないだろ。

「…だそうです、裁判長」

 裁判長いるの?

「開き直りも甚だしいわ」


 現れたのは…美也子。

 仲間だろ、おまえら。公平な裁判が期待できるかよ。

「被告は幸平。本人鑑定は完了」

 ダジャレで済ますな。

「判決。被告人は…」

 まだ意見陳述も論告求刑もしてないだろ。光太郎の証言もないし。


「有罪」

 まあ…こんな東京裁判みたいなの反論するだけ無駄だ。

 どんな量刑かとこわごわ美也子を見ると

「禁錮84年、執行猶予も同年とする」


 はあ…。

 人生百年時代か。そんでもって千種と言う牢屋に一生いろ、と。


「牢屋ってなによ」

 おまえ笑ってたろ、千種。

 派手な茶番はやめてくれ。


「とりあえず見逃すけど二度目はないからね」

 結菜の一言。

「若葉ちゃんから許してあげてってメッセージきたからだからね」


 結菜の怖さと姉の迫力におしっこ漏らしかけたと光太郎は後で告白した。

 俺も…実は千種の目の中に少し怒りがこもっていて、先々でにもし怒りを買うようなことがあれば…社会的に抹殺されかねないと確信して、失禁しかけだことを忘れない。


 ちなみに本当の罰は…朝まで千種に愛の言葉を囁やき続けることだった。


 地味に辛かった、と光太郎に事後報告した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ