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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第1章:春の頃、人が来たりて為すことぞ

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6/18

生徒会信任

「って監督…初日でユニフォームもないですし」

「そうだったな…じゃあ…ドラフト券1枚発行してやるから、1週間待て」

 肩たたき券みたいなの発行するんかい。

 それと…ほとんどグラウンドに来ないことも織り込んでの1週間か。

 まあ、説明に筋だけは通っている。


 それと割と気分屋の監督だからな。機嫌の悪いときに評価されたら実際よりも低くされる危険がある。使い方は意外と難しいぞ。


 新人各々監督と2年生に向けて自己紹介して、初顔合わせは終わった。監督来なかったらほんとにお詣りだけになっちまうところだった。三々五々散らばって帰っていく。

 …あれ、御本尊がまだ帰って…。


 ・・・

 やっときたきた。あれ…?

 太閤さんにヒメさん、キントキさんもいるな。

 珍しい組み合わせ。

「どうした?休みに」

 太閤さんに向かって声をかけると

「今朝まで休みって知らなかったくせに」

 あっさりと機密情報を漏らす千種。

「明日信任投票するから打ち合わせ」


 はあ?

「新しい生徒会、人数ちょうどだから」

 確かに論理的にはそうなるんだが、早すぎない?沢村なんか了承したのほんの一時間前だぞ?招集したの誰よ?

「千種だよ」

 ヒメさんの答えに少し怖くなる。

 いくら不機嫌になったからって、仕事が早すぎるしそれで集めちゃうとか。

「千種に頼まれたらね」

 …実質、生徒会を仕切る者が誰か分かったような気がした。内情を知る俺だけだろうが。


 その後沢村も捕獲され、新生徒会はたった半日であっと言う間にその役職が決定した。

 会長…田中秀吉。副会長…山門飛梅。

 庶務…早名幸平、早名千種。

 会計…坂田衿秋。

 広報…沢村光秀。


 なぜか遠くに位置するみささんが満足気に頷いている。みささん禁止令は解けていないらしい。


 千種…あんまり本気出すなよ?

「浮気しなかったらね」


 ・・・

 日が明けて始業式。クラス分けも発表されてるが、去年の夏のクラスのまま2年生は変わらなかった。担任も玲先生ひとりとなった。

 マリーさんが来てから、一本筋が入ったように先生はしっかりとしている。マリーマジックはここにも活きているようだ。俺は人知れず、ますますマリー信者となる。


 始業式後すぐに信任投票され、ほぼ満票で俺たちは(千種たちはと言った方が正しいのかもしれない)信任された。

 つーか昨日まで決まってなかったのか?

 あるいは既に既定路線だったのか。

 今日も遠いみささんを見ると、本日も満足気にしていらっしゃるのだった。


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