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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第5章:予選始まる

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59/79

ホームラン攻勢

「ほんと打ちにくいっちゃない」

 沢村はベンチでそうボヤいた。

 2回戦の相手は公立校。

 それほど球が速くない上にコントロールが悪い。2回を終わって1対0。戦前の予想より苦戦と言えそうだ。


 大前監督からまた実質的采配を任されている。

 さてどうしたものか…。


「折井」

「なに、早名くん」

 事故以来ぷっつりと折井はこーくんと呼ばなくなった。千種への配慮だと言う。


「任せた」

「え?なに?なに?」

 混乱する折井。丸投げだ。

「そんなだから千種ちゃんの尻に敷かれるんだよ」

 なぜそう繋がる。


「じゃあ打てる球だけ待ってて後は見送り」

 的確に監督代理補佐の方針が示される。

 既に容姿と野球愛で監督より敬意を集めており、素直に全員従うのであった。


 瞬く間に3つの四球で満塁。ロゼ太郎はストライクを取りに来た初球を軽々とライトスタンドに運ぶ。

 なんつーか改めて規格外のパワーだな。

 …と思ったら児島の四球からまたキャリパーの右中間へのホームラン。

 あっと言う間にコールドの点差になる。


 光太郎は6個のアウトをすべて三振で取っている。球数は2イニングで30球。

 悪くないペースだ。

「久しぶりの公式戦だな」

 俺が光太郎に声をかけると

「かなり怖いです」

 と意外な言葉。

 児島のリードは結構メリハリあるからな。インコースを必ず要求してくる。

「コントロールだけ気をつけてます」

 …それであのスピードかよ。


「田所いくか?」

 ああ、と田所。まだこの予選出番がないからぼちぼちいいだろう。

 と言うわけで捕手交代。光太郎もこの回までだ。


 さすがに先輩の田所。光太郎も信頼してるのだろう。ギアをあげたのが分かる。

 圧巻のスピード。3人をすべて三振で片付ける。3イニングすべてのアウトを三振で揃えた。


 その後は川上がマウンドにあがり、山形が一塁守備につく。

 試合は残り2回で五明の2試合連発、後藤のタイムリーで10点差まで広げた。

 5回の表にいよいよ俺にも出番。

 折井監督から代走指示。

 盛り上がるベンチ。


 空気を読まない川上が初球をセカンドゴロゲッツーとして、俺の復帰初戦は1分かからず終わった。


「初戦としては上出来だ」

 満足そうな沢村。

 …どこがだよ。


 ほとんどの守備にメンバーを固定しない方針だから(センターの黄田、ショート後藤くらい)、常にファイヤーフォーメーションの我がチーム。最後はセンター山形の奇策まで披露して5回コールド。


 俺たちは今日大前監督の声を聞いていないことにすら気付いていなかった。

 そもそもベンチにもいなかったし。

 一時間以上もどこにいたのやら。


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