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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第5章:予選始まる

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52/79

お嫁さんを紹介するわ

 5限目までに俺たちは教室に戻った。

 本当に朝から激動すぎる。


 千種はマロさんとキントキさんを誘うと千種の机を囲んで話を始めた。

 なんせ隣の席だからな。

 嫌でも聞かなきゃならない位置なわけだ。


 千種とヒメさんは幼馴染と言っていいはずだが、だからと言って何もかも許容してきたわけではないようだ。

 ヒメさんが千種を一方的に守ってきた…そういう思いがヒメさんにはあったのではないか…俺はそう思っている。

 下に見るわけではないが、自分の庇護の下にいるのだ…と。

 中学まで千種への告白に根回しまでして遺恨を残さないようあちこちに配慮したと聞いている。


 その記憶が、あるいは今回のことにどこか繋がるかもしれなかった。


「その時は千種って呼んで」

 別れの時に放った言葉が、いつか叶うことがあればいい。

 いくら許さないと言ったとはしても、千種は未来に希望を残した。

 千種なりにヒメさんへの感謝がそこにある。


 ・・・

 こんな田舎町だ。報道はなくても鈴木不乱のことはみなどこからか聞いている。

 俺の事故がやつによったことも。

「田中くんと不乱が話してるのを見た子がいるんだよね」

 そうポツリとマロさんが言う。

 そして薄々田中とヒメさんの関係を二人は気付いていたらしい。

 婚約のことは知らずとも、体の関係があることは感じていたとも。


「あたしはまた4人で話せる日がきたらいいなと思ってる」

 そう言って千種は二人への説明を終えた。


 ・・・

 千種は逞しくもなかよし水泳会のマネージャーをしにプールに行った。俺は千種から一年生接見禁止令が出たので(前にもなんか似たことがあったような)、今日はおとなしく帰ることにする。まだ野球部のメニューをこなせるわけでもないからな。

 監督からもほどほどに参加するように制限されてるし。


 我が家となっているアパートに珍しく一人で帰る。

 なんとも複雑な感情の源を考えながらドアを…あれ、開いている…?

 思わずそっとドアを開けるとそこには。


 室賀千紗さん。


 びっくりするよね。

 一人でいるんだもの。


「幸平くん!おかえりなさい」

 俺は驚きすぎて千紗さんへの挨拶の言葉が出なかった。

 どうにか頭を下げて、本来のこの部屋の主人に帰宅の意思を示した。


 ニコニコと笑っているが千紗さんはその次の言葉を発しない。

 俺はあまり経験ないけど確か千種はこの表情の千紗さんを警戒してたはず…。


 と、トイレから誰か出てきた。

 あれ、行朝さんかとそちらに目をやると…。


 見知らぬ女性。

 少し千種に似てるような。


「はじめまして」

 長い髪の少女は頭を下げて挨拶してきた。


 反射的に俺も挨拶する。

「こんにちは」


 誰だろうと再び千紗さんを見る。

「幸平くんにお嫁さんを紹介するわ」


 ………え?

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