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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第5章:予選始まる

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準備室で

 さてと…。

 玲先生へのヒメさんのことをどう伝えようか。

 まさか千種の不思議な力とかミコさんのことまで話すわけにはいかない。

 素直に田中の画策、ヒメさんの許容が話せる限界だろうな。


 千種はある程度覚悟したのか、先ほどから結菜たちとのじゃれ合いをやめない。

 楽しそうに結菜や美樹、マロさん、キントキさんと話している。

 例えるなら、ヒメさんと言う質量のある星が消滅したために、自然ともう一つの質量のある星…千種に引き寄せられる遊星のようなものなのか。

 企図しないにしても、千種はその存在を昨日より高めていた。


 ・・・

 午後になり準備室を訪れた二人は、主に幸平が説明役を担った。

 玲先生は内容を理解していくうちに、次第に顔を曇らせていく。


「…おそらくこれが真相だと思います」

 短い説明ながらも、予想外のことに玲先生は嘆息した。


「なんでそんな馬鹿なことを…」

 絶句。

 若くして有名になったために、むしろそのことに苦労したからこそ先生は理解できないと言った感想を漏らした。


「なんかまあ…権力を志向するやつは千種のなにかを欲しがるようになるんですかね」

 今回のことから学ぶとすれば、このことだ。


 しばらく考え込んでいた先生は

「結果から原因を探るのには限界があるんでしょうけど」

 少なくてもあなたたちの話に矛盾は感じられないわ、と言った。

 そしてなんともこの土地は不思議なことがあるものね、とも。


「一年半近く住んだ俺も同じ感想ですよ」

 千種を通さなければそんなことを感じることもなかっただろう。


 しばらく黙っている千種に向かい先生は尋ねた。

「室賀さん、気持ちは大丈夫?」

 大雑把ではあるが、千種とは水泳を通じて信頼関係はあるはずだ。

 …それにこの二人、年齢差を超えた新妻としての連帯感…を共有しているらしい。

 高校生の新妻ってなんだ?今さらだけど。


「あたしなりの結論は出しましたから」

 ヒメさんとの関係を()()断ち切ったことだろうか。

 短く答え、先生はそれをもって今回の事情聴取を終えた。


 今日からまたなかよし水泳会をお願いねと、先生は最後に付け加え

「まだ早名くんには一年生を紹介してなかったと思うんだけど…放課後に来るなら時間とるわよ?」


 あー、それなんですけど。

「あたしが認めるまでは近づけさせないでください」

 女の子を誰彼構わず口説くような男に誤解してるだろ、さすがに。


「まあさすがに必要不可欠なことではないんだけどねえ」

 ただ、千種さんが入れ込むような男の人はどんな人なのか、下級生が興味を持ってるのよと先生は言う。


「ほらやっぱり」

 どうして俺を睨むかな。

 美人顔が台無しだぞ。


 ・・・

 衝撃の事実、とでも言えばいいのか。

 あの子たちが語ったことが今でも信じられない。

 それでもあの二人を離してはならない。

 準備室に残ったわたしはそのことを確信していた。



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