表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第1章:春の頃、人が来たりて為すことぞ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/17

監督登場

「お詣りも終わったし…新人は帰るか?」

 千種へのお詣りが済み(本人は嫌がったが、やがて恒例となる)、もう部活終了だ。

 …なにしに来たんだろう。


 新人ナインはお互いに目を合わせ、誰か発言するのを待っている。

 まあ、児島か…五明だろうな。

 流れを作ろうかと俺が発言しかけたところで、

「なんだ、おまえら来てたのか」

 初日集合の連絡もされない、寂しい大前監督だった。

「初日なんでお詣りに」

 沢村の謎理論。

「なんだ、そりゃ?俺もいろんなチームに所属したがそんなことしたことねーぞ」

 そうでしょうね。


 ノリなのか、監督も千種に祈っていた。誰も分からないだろうが…明らかに千種は機嫌が悪くなっていた。

 本人にしてみれば迷惑この上ないだろうけど、確かに半分くらいは正しい行為だ。なんせこの地の神様が千種の中に人格として宿ってるんだからな。


「有給大丈夫なんですか?」

 まずはこの話題。監督はニヤリとして

「新年度だからな、まだ未消化だ」

 おおお…と俺たち2年生。

 無事乗り切ったんですね。

「新人がたくさんいるらしいからな。少し調べるつもりで来たんだが…」


 監督、自己紹介を。

「あー。大前宝だ。おまえたちが絶対に入れない頭のいい大学を出て、プロ野球に入ったが下手くそで二軍のまま引退した。スカウトも少しやったぞ。遊佐晶は俺が引き当てた」

 おおお…と新人ナイン。

 この監督…自慢と自虐が入り混じって妙な味がある。

「今は医者だ。監督はボランティアだから、ほとんど休むぞ。だからな…ほどほどに勝ち抜け。間違っても全国優勝とかするなよ」

 あーそれで有給…と新人は納得したようだ。


「せっかくだから全員挨拶してくか?その後、練習がてらプレーをスカウトの目で評価でしてやるよ」

 おまえらへのお年玉だと監督は言った。

 有給が使えるようになってかなり機嫌がいいようだ。


 機嫌てば千種は…あら…いない。

 呆れてどこかに行ったのか。千種に限って危険なことはないだろう。学校の中だし。

 こういう時にうまくやり過ごしてくれるのは、俺にとっては千種の美点だ。自分勝手な感想だけど。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ