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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第4章:退院後の日々

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支配者千種

「幸平さん、まだ部に来れないんすか?」

 生徒会長代行におさまった翌日の始業前、俺は男子たちの訪問を受けた。

 なんで来るのは野郎ばっかりやねん。


 水泳部の中川たちだ。

 ある意味こいつらには、野球部以上に迷惑をかけた。

 先輩は俺一人だもんな。


「今朝掲示板見たら代行に先輩の名前があってびっくりして来てみたんです」

 あー、わりい。

 そのうち顔を出すつもりだったんだが。


「ごめんね、みんな。リハビリがしばらくかかるから当分無理かなー」

 千種が横から謝る。

「そんな…大マネに心配してもらえて嬉しいっす」


 ちょっと待った。

 大マネ?

「なかよし水泳会は俺たちより格上のチームですからね。そこの大黒柱ですから」

 …聞き慣れないな、それ。千種、いいのか?


 普通の顔してるよ。

 さらっと受け入れてるし、これ以前から言われているな。


 と、そこへ。

「幸平さん、まだ部に来ないんすかー?」

 と小島訓たち早名組と三人衆。光太郎たちとは既に会ってるから三馬鹿を除く6人だ。

「そうそう、俺たち室賀組に改名したんですよ」

 おまえら早名組だと言ってたよな?

「組長が室賀さんだから当然」

 まじか?

 千種は頷いている。


 だいたい教室に10人も後輩が押しかけてくるな!

 腹いせがわりに説教してやろうかと身構えたところで

「リハビリ終わったら知らせるからね」

 はいっ!と元気よく一同。


 沢村が入ってきたところで

「先輩、ちーす」

 とデカい声で小島たちが挨拶したもんだから千種に体よく追い出されていた。

 ついでに水泳部の後輩たちも。


「なんだ、クーデターか?」

 よく分からん、沢村の朝の挨拶。

「みんなが幸平に会いたいって」


 それにしてもあいつらは確かに千種の支配下にある。

「あなたがいるから、あたしをみんな慕ってくれてるの」

 こっそりとされた耳打ちにもどうにも俺には腑に落ちない。


 ・・・

 結局ヒメさんは金曜日まで欠席した。

 千種には来週から復帰する旨の簡潔な連絡だけがあったそうだ。

 何事かあったのだろうことは、マロさんとキントキさんも気づいてはいるだろうけど、特に何も言うことはなく毎日が過ぎている。

 おそらく千種と俺に関することだろうと想像しているのだろうか。

 今回に限って言えば、それぞれに沢村、山形が存在していることが大きいのだろう。

 不安を共に分かち合う相手がいることは、こんな時にその意味があるのかもしれない。


「また寝てる!」

 横で怒るこの人も。


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