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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第1章:春の頃、人が来たりて為すことぞ

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4/16

野球部初日

 入学式の日午後に野球部の面々が集合した。

 with CHigusaである。なんのユニットだ。


 部室で沢村に報告する。どうも生徒会も助っ人として入りそうだと。

「へえ。頑張れよ」

 至極あっさりと了承された。このまま野球部で過ごすつもりでいたんだが…。

「幸平ひとりで決めたわけないよな」

 そりゃまあ…多少みささんの脚に目がくらんだだけだ。

「おまえが入るんなら…早名も一緒だろ」

 小学校の頃から千種と沢村は知り合いで、その頃からの癖か、今も沢村は千種を早名と呼ぶ。


 千種は周囲から千種ちゃん、あるいは女神様と称され、俺はほとんど幸平だ。まっ一年前は和田だったしな。


「秀吉が会長で、山門(やまと)(ヒメさん)が副会長だろ」

 そこに千種と俺。まだ足りないんだ。

「あと何人?」

「二人だと。そんでな、どうやら坂上(さかのうえ)(マロさん)が嫌がってるらしくて」

 沢村は昔を回想したようで

「あー、山形と二人、いつも逃げようとしてたな」

「残るは…」

「坂田だな…。!! 幸平」

「気がついたか」

「川上くらいなら俺が口説き落としてやる」

「…そこはおまえだろ」


 校内を二分する勢いの野球部と女子水泳教室から人材を確保できた。

 橋本と大杉は忙しすぎる。日本選手権者だからな。俺もそうだけど…。

 ちなみに、円城寺さんのインタビューのできごとから俺のいくつかの秘密…両親の事故、姓が変わったこと、去年の日本選手権のことは世間に知られることとなった。春休み中だから表立って反応があるわけではないのだが…。今後どうなるのかは分からない。


 野球部主将を生徒会に確保したあと、俺たちはグラウンドに行く。山形がもし来ても6人だけだが。

「沢村、大丈夫か?」

 黄田が沢村を心配する。いい奴だ。

「なんともない」

 沢村もあっさりと答える。

「今日なにするの?」

 川上がのんびりと質問する。

「今日はグラウンドの神様に挨拶だ」

 なんだ、それは?

「俺たちは今日が元日だろ?」


 沢村理論に皆が固まる。

 そう…なのか?

「やっぱ初詣なわけよ」

「それだけ?」

 間違いじゃないよな。呆れて誰も文句を言わない。

「よし、じゃあ整列」

 ほんとかよ…と並び始めて気づく。

 三馬鹿、早名組、三人衆じゃないか。

 合わせて新人ナイン。


 …戦隊ものだな。

「よう、おまえら。お詣りしてけ」

 連中はびっくりしていたが、馬鹿なノリが好きなんだろう。なんか集まってきた。

「えっと…どこを拝めばいいんですかね」

 児島くんが質問する。実績は劣るがリーダー気質なんだろう。ちなみに名前は訓だと後で判明する。

「そうだな…」

 あたりを見回す沢村。考えてなかったんかい。


「おー、あれだ」

 指差す方には…千種。

「ん?」

 こうして、俺たちは野球部の元日とも言える初日に千種にお詣りしたのだった。


 その後、俺が千種に反抗すると野球部が敵となるのは…このことがきっかけだった。

 せめて折井くらいは異論を唱えてほしかったが、千種と仲がいいため、信者のひとりである。


 幼馴染の絆など幻想である。

1stを未読の方はぜひご一緒にご賞味ください。千種ちゃんと折井さんの過去もあります。

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