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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第4章:退院後の日々

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39/79

復帰の朝

 なんだか初登校の日より緊張する。

 退院の次の日、千種と一緒に高高に行く途中だ。


 …去年はどうだったっけ。

 確か初日に路上でヒメさんたちに会って、千種に紹介してもらったんだよな。

 今回は…。

 お、山形にマロさん。


「おっ今日からか、幸平。良かったな」

「よう、久しぶり。…またデカくなったか?」

「おー。まだ伸びてるからな」

「10cmだけ分けてくれよ」

「俺ももういらねえんだよ」

 馬鹿なことを言うとばかりに、千種とマロさんは笑う。去年は気づかなかったが、二人並ぶと自然で、いかに健康的に関係を築いて来たかが分かるようだった。

 幼少期の約束を甲子園のホームランで果たすとか、どれだけの苦労を山形はしてるんだろうか。この二人はそうやってこれからも深めていくんだろう。もはや彼女も県内トップスイマーの一人だ。


 突然山形が腰を折って耳打ちをする。

「なあ。学校で妙なことが流行っているんだ」

 へえ。

「おまえ、沢村に変なことを教えたろ」

 なんだ、それ。

「女子にストッキングブームが来ててよ」

 嘘だろ。なにその天国。

 ……犯人は千種か。


 何をどうしたのか知らないがストッキング生態系が築かれてるらしい。

 以前にやらかして千種の不興を買ったのが、今になって形になったのか。みささんに見惚れたばかりに、おかしなブームになったと。


 いやまあ…いつの間にか沢村は主将で学内の有名人だし、影響力もあるのかも知らんが。アホな学校だな。

 俺は悪くない。

 そうやって千種を見ると、プイと横を向かれた。

 根に持ってるな、おまえ。


 そこに件の沢村、キントキペアが合流する。

 なんとなく気まずくて二人を見れない。

「幸平、今日から部に出るのか?」

 まだリハビリで病院通いなんだ。

「そうか。しっかり治せよ」


 ちょっとした集団で教室に入る。

 黄田が一番に声をかけてきた。

「やっと戻ってきたな」

 笑いながら右手を差し出す。その手を握り

「もうちょっと待っててくれ」

 と返した。

「あ、幸平くん。おかえり」

 どこかズレたような挨拶の川上。おまえ逞しくなった…?

「監督に特別メニューだとかって倍走らされてるんだ…」

 嫌そうに零す。

 …いや普通にすげーよ、あの監督のメニューこなしてるのかよ。

「食べる量が増えちゃって…見てこの筋肉」

 …アスリートになってきたな、性格以外。


 田所は静かに見ている。相変わらずよく分かんないやつだ。

「待ってたぜ。いつから投げる?」

 まっしばらくリハビリだ。

「分かった。今から整理しとくぜ」

 と頭を指差す。

 もう配球かよ。

 …楽しみにしてるぜ。


 千種はマロさん、キントキさんと話しながら誰かを探しているようだ。

 ヒメさんだろうか?


 そういや水泳部の連中は?

「退院おめでとう、こーくん」

 ありがとな、折井。

「全日本の合宿だって」

 あらま、そうなの。じゃ玲先生も?

「玲ちゃんも行ってるよ。なんか一年生もみんなだって」

 男子の方はだいたいの力を把握している。

 つまり新入生の女子みんな日本選手権レベルかよ。

 後で千種に聞かないとなと思いつつ、懐かしくもある自分の席に着く頃、太閤さんとヒメさんが珍しく時間ぎりぎりに入ってきた。


 なんか用事でもあったのかね。



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