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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第3章:入院生活

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35/79

浮気の定義

 見舞客が一巡りして落ち着くかと思えばそんなこともなく。

 有能なマネージャーは今日も予定を告げた。

「沢村くんとキントキが来るって」

 ほー。交際は順調のようで。

「いつにも増して僻んでるわね」

 俺も青春したい。

「どういうことかしら?」

 まだ交際の経験がないんだ。

「面白いこと口走るわね」

 おまえが、お付き合いから始めましょう、って段階を…だな。

「10年も待たせてそんな贅沢を言うの?」

 待たせたのは俺じゃないし。


「取り込み中悪いんだが」

 よう、キントキさん。いつも通り綺麗な脚ですね。

 沢村のアホな告白に答えているのか、黒スト着用率が半端ない(当社比)。

「俺を無視するな、幸平」

 おや、脚を愛でる変態の沢村くんじゃないか。今日はどうした?


 呆れたように目の前のカップルは近くの椅子に座る。千種はひざ掛けをキントキさんに渡す。対策済みってか。


「野球部どうよ」

 やっぱり気になるからね。

「おまえがいないからまとめるのに大変だ」

 後輩どもか?

「そっちは折井がまとめてる。なんかやつら俺より折井に懐いていてよ」

 そりゃあんなロケット…。


「幸平…ダメよ」

 千種に表現の自由を奪われる。

「なんだ、二年生か?」

「…ああ。黄田はマイペースなんだが、他のやつらがな」

 ほかのやつらったって、あと川上と田所と山形くらいだろ。


「山形はホームラン打っちまったからか全然姿見せない」

 バスケに精を出してるんだろ。

「田所はおまえくらいのコントロールを一年生に求めてな」

 光太郎でもダメか?

「荒削りだよ、まだ。市川も五明も、一条もまだまだだ」

 そればっかりはなあ…。

「川上は女の子にモテないと」

 それは切実だな。共感するぞ。

「と言うわけで早いとこ戻ってきてほしいんだ」


 まだ退院の目処は立っていない。しばらくはリハビリの日々になるし。


 ・・・

「千種、学校は?」

 あの事故の日以来、千種は学校に行っていない。ずっと付きっきりの毎日だ。かれこれ…3週間になる。

 献身的な生活に疲れないのだろうか。

「リハビリが始まったら…って思ってる」

 お、そうなの?

「ただ、まあ…その時は見張り役頼まないと」

 そんな人いるか?

「ヒメ」

 あー…。あの人何気に玲先生とか折井とか緊張状態にあるんだよな。決して好戦的な性格ではないけど。千種とは幼馴染だし。

 でも、そもそも見張り役って?

「幸平の浮気」

 はっきり言うんだな。


 なあ、千種。一度浮気について討論した方がいいと思うんだ。


「あたしが浮気と判定したら浮気」

 そうですか。まるでハラスメントみたいだ。


 ひとつ言えるのは、間違ってもヒメさんとはない。

「失礼だね、幸平くん」

 …また来たんだ、ヒメさん。いつもタイミングいいね。

「あたしがノート届けないと二人とも留年するかもよ」


 そんな馬鹿な話はないだろうと思うが、ヒメさんだとあり得そうで怖かった。


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