面会二日目
面会が許可されるようになって二日目。
千種が予定表を見ている。
………。
「なによ」
不満言いたいのを我慢して千種を見ていたら、逆に絡まれた。
なんかこう…整理されてるとハプニングが起きないと言うか。
「晴さんとみささんでしょ」
馬鹿な…俺の心を…読んだ?
「あなた大好きだもんね」
そんなことないよ、あはははは…。
「晴さんはね…もしあたしがいなかったら恋人になるくらいの運命だったのかも」
意外なことを千種は言う。
「晶さんの妹さんでしょ?あなたと趣味も合うし、生きるスピードが一緒なのよ」
なんか良く分からんが公認の浮気ができるなら…
「できるわけないでしょ。また入院する?」
やだなぁ。俺は戻ってきたばかりだ。
「あ、みささん」
そう言う古典的な冗談は通用しないんだ。
「今日も胸がおっきくて美脚ですね」
千種も分かるようになってきたな。そう、あの体こそ…
「幸平くん、さいってー」
あら抜群の美貌と満点のスタイルのみささんじゃないですか。
…すんごいヤバいんですけど……。
「幸平、おまえそんな風にみさ姉を…」
あ、陸。久しぶり。元気か?俺は…昨日から元気だ。
「変わんねーな」
甲子園で二遊間を組んだ相棒は、呆れながらも回復を喜んでくれた。みささんは渋い顔のままだったけど。
「どう?幸平くん」
いまや数少ない常識人、さゆりさんも話しかけてくれて。
「姐さんお久しぶりっす」
おー裏切り者の訓。
「なんすか、それ」
俺より千種の方を上認定したやつが何を言うか。
そうやって児島家と語らう。
まだベッドの上だから、できるだけ頭を下げた。
「お父さんにはほんとに生かせてもらった。一生忘れないつもりだ」
にこやかに見ていた千種も頭を下げる。
「できれば本人に言ってもらえるとやる気がみなぎるんたけどね」
あ、児島先生。ついでみたいになっね申し訳ないですか、ほんとに感謝してるんですよ。
「これからはリハビリも始まるからね。担当の先生に来ていただいたんだ」
「よう、早名。たっぷりしごいてやるからな」
あー……。
そりゃそうか。お久しぶりっす、監督。
試合くらいしか合わなかった陸は懐かしそうに、日頃自チームの監督として見る訓は見飽きたように、リハビリ担当の大前宝先生と挨拶を交わした。
そういやどのくらいで完治するんすかね?
「半年くらいで日常生活に戻れたらとは考えてる。分かってるだろうが地道な努力が必要だからな」
また野球も水泳もやりたいですからね。
「たっぷりしごいてやるよ」
なにさせるつもりなんだか…。




