表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第3章:入院生活

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/79

姉、葉の告白

 弟は眠り続けて一週間後に目覚めた。

 私はその間何度も東京と高良を往復し、溜まる一方の仕事を片付け、幸平を見守る生活を続けた。


 私も日に日に疲労が溜まっていったけれど、千種ちゃんは文字通り不眠不休…片時も離れず幸平に寄り添い続けた。

 愛の深い娘と知ってはいたけど…。


 夫婦とか姉弟だとか。

 言葉で定義できない絆をこの二人から見て取ることができた。

 姉の私にして、千種ちゃんに軽い嫉妬感を覚えるほどだった。

 私がこの世に為した行為で、実は一番有益なことなのかもしれない。


 この二人は…もう離れられない。


 ・・・

 実はまだ面会謝絶である。

 幸平に過度の負担のないよう、しばらくは誰かと会うことを先生から禁止された。

 そうするとせいぜい…千紗さん夫妻、和田夫妻…いとこは…認めたくないが()()もか。


 仕方がない。

 私は番号を検索。は行の(ぼう)を呼び出し、あなたはぎりぎり面会できる立場なのだと強調して、面会の日取りを設定する。

 あの娘らしくなく、やけにしおらしい言葉を繰り返し、最後に感謝の言葉を聞いた時に、私が軽い自己嫌悪に陥ったことを…私は千種ちゃんに告白しなければならないだろう。


 年下のはずなのだが…千種ちゃんはこの一週間、巫女のような…女神のような…その佇まいは神聖であった。

 彼女への告白は…懺悔に似てるのかもしれない。


 幸平が目覚めた瞬間から、また夫婦漫才が始まって、いつもの一人の女子高生に戻ったように見えるのだが。


 付け加えるなら。

 幸平が目覚めて千種ちゃんと会話のあと…私は夫に連絡した。

 シーズン中の、しかもナイター後と言う時間にも関わらずあの人はすぐに電話口に出て、報せを聞き涙声で了解してくれた。

 私は彼より年上だけど、この人と夫婦で良かったと改めて思った時間だった。


 この告白は…千種ちゃんにもできない、私だけの秘密でいよう。


 ・・・

 私のできることは他にある。


 おそらく、サナメを目論む欲深なやつらはいずれまた現れる。今回のメンバーがひとまずこの世から退場したけれど…そもそも早名神社が継続するかも不明だが、既に後継に名をあげた者の噂を聞いたから、私は初手をうつ。


 幸平と千種ちゃん、そして美也子ちゃん。

 高良高校の退学、そして通信制への編入。

 後手ではあるが、確実に3人を高良から切り離す手段。

 サナメの資格を外した。

 3人は外部の住所になる。和田さんの家に住んでいることになる。

 行朝さんは千紗さんの旧姓になり、美也子ちゃんは和田さんの養子となる(華さんとは本当に親子になる)。

 千種ちゃんは自動的に千紗さんの旧姓になり、いずれ幸平は千種ちゃんと同じ姓になる。


 さあ、早名に固執する者たち。

 他にあたればいい。

 もはやサナメは…過去のものだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ