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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第2章:死に近づく幸平

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21/79

ミコの独白:幕間

 愛した男を失ったことはわたしにとって大きなできごとだった。

 喪失感、と二千年経った現在では呼ぶものだろう。

 長年流浪の後、やっと異国に安住の地を求めたはずが、やはりわたしたちは異入の民だ。

 富と人。

 それを狙う者ども。

 戦うしか術がなく、あの人を失い我が力を示してやっと混乱は収まった。

 わたしの異能を原住の者どもはおそれ、奉り、神輿として担ぎ上げた。


 既に生きながら亡骸のようにあったわたしはすべてを受け入れ、やがて海の向こうの大陸の国に朝貢し、金印を得た。


 なんの価値も感じなかった。


 近従の男が一人、わたしの意思と称し自分の思いのまま連合体を支配した。

 好きにすれば良い。

 そうやってわたしは老い、自分の死すら()()()()()()()


 この地に住まわせてもらった。

 この大地に最低限の感謝と印を。

 まだ男が生きている頃、二つを願った。


 すなわち、この地の民に幸運を。

 そして…我が故郷の花がここに咲かんとせよと。


 この願いは誰やらに聞き入れられたようで、我が民は他の文化と混じり合いつつも、独自性を失わず二千年近い時が過ぎた。

 花もまた、ここでのみ自らの命を繋ぎ続けた。


 だがいつしか我が願いは呪いとなり、この地を縛り付ける鎖と変容した。

 キイロバナだけが変わらず咲き続けた。


 微睡んでいるわたしを起したのは、わたしより遥かに強い力を内包した娘。

 似たような力ゆえ、それに誘われるようにわたしは目覚め…気が付くとその娘と同化していた。


 聞いたことのない事象に始めこそ戸惑ったが、娘の性向は常に優しく、居座るには心地よい。そしてこの娘と恋人関係にある男もまた、常に娘を思いやっている。子供のいなかったわたしにとって二人は子供のようでもあり…男をめぐるじゃれ合いの相手でもあった。


 娘は対話で現代を教えてくれた。

 ずいぶんと道理が優先される時代となっていた。


 同時にかつて願ったこの地の平安が変容し、一部の者どもの利益となっている事実。


 げにひとはおろかな。


 この二人にそれが及ぶのなら解呪しよう。


 密かに決めた。


よろしければ1stも合わせてお読みください。

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