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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第2章:死に近づく幸平

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19/79

狙い撃ち

 この人を今自分が生きている世界から連れ出すにはどうしたらいいのか。


 環境を変える?

 あり得るけどとれる優先順位は低い。


 あたしがこの人から離れる…。

 これはもっと低い。あたしの感情抜きにしても、やっと共依存から抜け出し始めたところだ。

 すなわち、生活を重なり合わせてお互いが自立した世界をつくりあげる…。

 高校を卒業したら新たな環境になるから、現状を固定したところで二年ない。


 この人が抱えるものを軽くしなければならない。

 そのためにはどうしたらいいか。

 再び微睡み始めたこの人の髪を撫でながら、あたしの頭は回転を続けた。



 ・・・

 外部からの急襲は予期を得ない。

 (わたし)はそのニュースを地方新聞のWEBで知ることになる。


『高良を観光地として整備するための団体が法人化される予定』


 いずれとは思っていたが、こうも早いとは…。

 六条家の後継がないことで、求心力の低下した空白期間を狙って様々な欲が動き始めた。


 地域の有力者、地元選出の国会議員を代表とする法人。そして就任予定の者の名の中に、早名神社の宮司鈴木家があった。他にキイロバナを昔から栽培している会社…幸平から聞いたあのマリーさんと言う方の家とは別に細々と続けてきた会社の名も。


 御地を目玉とした観光地整備、キイロバナの群生地を含むと言う。

 さらにキイロバナをブランド化することも。

 これはすなわち、自分たちが認めたもの以外を排除する姿勢を打ち出したことになる。

 狙いは明白だ。


「分け前をよこせ。あるいはこちらで独占する」

 現在莫大な利益を生み出しているキイロバナの栽培を自分たちが握るつもりだ。


 そして…神事を観光の目玉にすることも。

 そのために巫女を()()するとも。

 観光のためと大義名分を掲げ、断りにくくすることで、年齢的に若いものを巫女として確保する狙いがあるのだろう。

 私が知る限りその標的となるのは…間違いなく千種ちゃんと…美也子ちゃんだ。


(なるほど…六条家の最後の一人、美也子ちゃんを巫女にしようとするか)

 おそらく、その形で六条家の力を吸収するつもりだろう。


 薄汚い、低年齢層への性欲を隠さない…あの宮司、鈴木某の顔が頭をよぎる。

 おそらく双輪…私と幸平の母、(せい)と美也子ちゃんの母、華さん、もしかしたら私すら抱けなかった欲望を、高校生の二人に向けたかと思うと吐き気すら覚えた。


 千種ちゃんの両親は他県、美也子ちゃんの保護者は依田玲さん…つまり外部から高良に来たてだ…。


 利益の独占と観光の名で縛り付けるサナメ。

 時期を狙うなら確かに今だった。

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