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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第2章:

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15/15

カップル成立

 5限目に俺たちはクラスに戻り早速キントキさんと沢村に謝罪した。

 どういう誤解か分からないが、どうやら千種からのストレスで俺が暴発したことになっていた。

 なんだ、言い訳が無駄になったな。

 つーか、普段そんな目で見られてたのか。


「仲直りできた?」

 キントキさんは優しく俺たちを心配してくれた。

 いい娘だ。

「幸平?」

 おっと。


 沢村はどうやら観念したらしい。

 キントキさんに放課後時間を作ってほしいと頼んでいた。

 なにやらキントキさんは頬を赤らめ…。

 おや?満更でもないのか?


「なあ幸平、同席しろ」

 どういうことだ。

「そもそもおまえが言わなきゃ…」

 あー分かったから。

 一方、千種もキントキさんから何かを頼まれ頷いていた。

 もしや千種も?


「一緒にいてって」

 俺たち同伴ってこと?

「ん」

 やだよ、そんな恥ずかしいの。

「ほんとにごめん。あたしからもお願い」

 珍しいことに千種が頼んできた。おまえがしでかした訳じゃないのにな。

 これ以上複雑にするのまずいよな。分かった。


「ありがとう。優しいから好き」

 こんな時に愛を語るな、それもずいぶん恥ずかしいぞ。

「これからはもっと言ってあげる」

 マジか…。

「そうしないとまたストレス溜まっちゃうでしょ?」

 そういう設定だったからだろ。頼む。


 ・・・

「いいよ」

 至極…キントキさんの返事は明確であっさりしていた。今までの沢村の思いはなんだったんだと言うばかりにあっけなかった。


 放課後の教室。

 沢村は午後の時間を目一杯使い覚悟を決めたのだろう。単刀直入に

「ずっと好きだった。その脚に惚れた」

 と身も蓋もない告白をした。

「だから…俺だけに見せてください」

 結菜は目をウルウルさせている。なあ…結菜。こんな告白失敗した方がキントキさんのためだろ。

「静かにしてて」


 あー。

 そして先ほどの答えである。結菜はマネージャーの件があるからと、告白のことを知らないまま教室に残っていた。

 まあキントキさんとは、三人娘の中でも特別仲がいいしな。

 そんで思いも寄らない告白舞台を見届ける観客に、なった。


「簡単でいいの?」

 千種は念を押す。おまえだって出会って10分で嫁の立場に居座ったよな?

「まず経験しないと分からないもの」

 普通の10代の女の子のように可憐な答えだった。


「汚れちまった悲しみに」

 どういう引用かしら…と千種は俺に突っ込む。

「沢村くん、いい人だから」

 理由は満点だぞ、キントキさん。


 結菜はまだ潤んだ目をしている。

 乙女なのな。

 どういう意味かしら…と千種は俺の右腕を抱きしめる。


 とりあえず野球部二人目のカップル成立だ。

「それでね、沢村くん。あたし、水泳部のマネージャーしたいの」

 全員が不思議に思う。


「あたし中学の時にこっちに来たんだ」

 最高(ここ)に…とキントキさんは続ける。

「その前にいた小学校にね、幸平くんと折井さんがいたんだよ」

 結構驚くような事実。

「別のクラスだったから、二人とも覚えてなかったけど」

 確かにキントキさんが他のクラスにいたなんて見覚えはなかった。

「その頃は折井さんは幸平くんにべったりで」

 小学校で若葉ちゃん、中学校は美也子ちゃん、と千種がなにかを数えてる。俺ははべらせてたわけじゃないからな。


 千種も分かっているからか、右腕を抱く姿勢は変わらない。

「だからね…折井さんの居場所はあたしは遠慮したいかなって」

 それと友達が頑張ってるんだもの、応援したいんだよ…と続いた。


 それは実にキントキさんらしくて。

 結菜はありがとう、そしてよろしく…と伝えた。

 沢村は…少し残念な表情を見せたが、すぐに戻り

「別の方がお互い話題が増えるもんな」

 と切り替えていた。


「千種にもお願いあるの」

 幸平くんがあたしの下半身を見る回数を減らして。

 最後にとんでもない爆弾を放り込まれた。

 できれば沢村くんだけでいいから、と。


「任せなさい」

 千種は得意気に断言した。

 また千種に縛られることが増えそうだ。

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