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1プロローグ

はじめてサスペンスを書きました!

サスペンス風程度かもしれませんが…宜しくお願いします。

「キャーーー」

「誰か、誰か!!」


 先ほどまで会場は熱狂に包まれていたが、今は動くライトと曲だけが大音量で流れている状態になった。


「ねえ、あそこ。なんか変だよ」

「え?ほんとだ。あれ、変だよね?」


 会場を見下ろせる位置にいた観客達は中央の席を見ている。


 声援は止み、ざわめきが起こり始めた。


「あれ、なんか振り回してるよ。やばい。どうなるの。こっちに来たらどうしよう」

「折角のコンサートが。マジで最悪」

「危ないし、逃げようよ」


「こっちまで来るわけないじゃん」

「今会場入り口は混雑しているし、逆に危ないよ。待機してたほうがいいんじゃない?」


 中央席の観客は蜘蛛の子を散らすように会場の外へ逃げ出しているが、二階席、三階席の観客は混乱し、動けずにいた。



 警備員は会場の中央へと向かっているが、逃げ惑う人々の波に押し返され思うように動けないでいるようだ。


 ぽっかりと開いた空間の中心ににはナイフを持った血まみれの女が立っている。


 彼女の周りには女性が倒れており、他にも数名の女性が手や顔を抑えながら血まみれの女から距離を置こうと必死に動いているのが見て取れた。


 返り血を浴びた女は興奮し、ナイフを振り上げて逃げようとする観衆に向かって威嚇をする。


 女は足元の人間を踏みつけ、座席を乗り越えようとした時、駆けつけた警備員達が彼女の死角から警棒を叩きつけた。


 彼らが女を引き倒した後、上から数人掛かりで押さえつける。女は何かを喚き散らしているが言葉になっていない。


 女は奇声をあげながら必死にナイフを持っている手を動かそうとしている。


 警備員の一人が押さえつけていたが、女は抵抗するように体を捻じらせた。


 別の警備員は女が持っているナイフを警棒で手首を叩き、女はナイフを落した。


「動くな!」


 三人がかりで抑えていても女は奇声を上げ暴れ、警備員は必死に押さえつけているようだ。


「チッ。こいつはリミッターが外れているのか?」

「そのまま抑えていろ! さっき警察に連絡したからすぐに来る」


 警備主任が声を張り上げ取り押さえている警備員達に伝える。集まった他の警備員は怪我人を犯人から遠ざけようとしている。


 観客の中には、看護師も数名いたようで声を掛け合い怪我人の救護に当たりはじめた。


「A班は観客を安全に誘導しろ。B班は通路を確保だ」


 警備主任が他の警備員にマイクで指示をした後、拡声器を使い、観客達の誘導を始める。


 騒然とした客達は警備員の素早い行動に落ち着きを取り戻しはじめ、誘導に従ってゆっくりと会場を後にしていく。


「怪我人は何名ですか?」

「軽傷者は六名です。重傷者は三名、うち二人は意識が無い状態です」


 駆けつけた救急隊員が対応に当たってくれている看護師に現場の状況を聞き取り、怪我人を担架に乗せて運び出す。


「こっちだ! 早く来てくれ」


 ちょうど警察官も駆けつけ、警備員と交代しようとしていた。


「邪魔するなーーー!!!!」


 女はそう叫び、押さえつけていた警察官が女の力に負け、よろけた。


 顔を真っ赤にして叫びながら立ち上がろうとしている。


 女を抑えるように周りにいた警備員も加わり、暴れる女を拘束し、担がれるように警察署へと向かった。



 この事件は大々的に各種機関に報道され、誰もが知る事件となった。


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