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第1話 追放されたので進退窮まる

 突然お偉いさんの部屋に呼ばれた俺は、足取り重くに進んで行った。

 お偉いさんと言うのはウチの”ギルドの老いぼれ”なんだが、あいつは何かにつけて癇癪を起し、特に若いモンにきつく当たって来る厄介者だ。


 奴の部屋の前に着くと数人の衛兵に出会い、入れと促される。横暴な奴らめ。



「カナタよ。よく来たのぉ」


 ”ギルドの老いぼれ”はニヤつきながら語る。最近始めた事業が軌道に乗り始め、金も人も集まって集まってそれはそれはしょうがないらしく、それに比例して金も人も奴にとってしてみれば価値がひどく薄れてしまったらしい。


「おいカナタよ。聞いているのか」


「あぁはい……」


 ギルド長は俺の何とも飄々とした態度にこれまた腹を立てているらしい。


 とはいえ俺とて苛立つことも多かった。ここまで相いれないのなら、早く俺を解放してくれとそう思うばかりだった。

 しかしギルド長から発せられた言葉は、解放などと程遠いものだった。


「……追放じゃ。カナタよ」


「は? つ、追放? クビじゃなくて?」


「ははは。ようやく焦りおったのぉ。其方の態度が昔から気に食わなんだ。初めからワシの思惑通りに動けばよいものを……」


 態度が気に食わないなどという理由で行う仕打ちとしては、あまりにも程度が悪すぎる。

 当然、追放というのは解雇処分よりも重たい罰則である。


「お主も知っているだろう。追放を言い渡された者は、この世では非常に生きにくい。このギルドに立ち入れなくなることは勿論、このギルドが所有する土地、商会、情報網等の利用をすべて禁じられる」


「そ、そんな事までしなくていいだろ……! 前々からアンタは俺にばかり……!」


 これを言いかけた所で背後から衛兵に取り押さえられた。

 あぁだこうだと言っても決まった事は揺るがず、俺はギルドの外へとつまみ出される。


「永遠に後悔するがよい」


 何年も仕事を共にした衛兵(ギルドメンバー)でさえこんな横柄に振舞う始末だ。俺はココを出られてむしろ幸運だった。そう思う事にした。



 これからどこに行こうか。

 できればどこか遠くの田舎でしばらくのんびり暮らしたいくらいだ。

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