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麗しきレディ・ドルリスへの依頼 ~魔法猫の女王は気ままに推理する~  作者: ゆめあき千路
第三章 女王の玉座は狙われる

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その一:「きみはだれ?」

「きゃあッ!」


 女の子の悲鳴!?


 ノワは走った。

 石畳を駆け抜ける。


 道の真ん中に白い猫が倒れている。

 真っ黒で短い毛のノワとは正反対の、ふかふかの白い毛の猫だ。耳の先だけ薄茶色の。


 その耳がピクリ、動いた。


 生きてる!

 でも、ふわふわ尻尾は動かない。

 どうしたんだろう?


 事故?

 お病気?

 わかんないけど、たいへんだ!


「だいじょうぶ!? しっかりして!」


 ノワは急いで、横向けになってる白い首筋をカプッとくわえた。

 安全な場所へ運ばなくちゃ。

 こんな道の真ん中はだめだ。車や馬車に()かれるかも。ここではたまに馬が引く古風な馬車が通る。


「ん~~~ッッッ!!!」


 ノワは白猫を持ち上げようとした。


――うわ、メチャクチャ重い!?


 そりゃ無理である。

 だってこの子は、ノワより大きい。


――むがーッ、重い~ッ! けど、ぐわんばるう~!!!


 ズリ、と引きずった。一歩。また一歩。

 ズリ、ズリ、ズリリ……。

 やっと道の端っこまで移動できた。


「ぷはッ!」


 ノワは、ペショッと地面に突っ伏した。

 体力が尽きた。これが継母のレディ・ドルリスなら魔法でさっと運ぶだろうし、継父のマドロス船長なら、魔法など使わずともひょひょいとくわえて、ひとっ飛びで歩道まで移動してのけるだろう。


「う……うう~ん……。あら、あなたは?」


 ぱっちりした明るいオレンジ色の目が、ノワをジッと見つめている。


「にゃッ!」


 その瞳に、ノワのハートは『ずっきゅん!』と、撃ち抜かれた!


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