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31.カルロ所長の提案

遅くなりましたが、ブックマークありがとうございます。

「ぼ、私が王太女殿下に異世界エネルギーが変な感じにまとわりついているのを初めて見たのがいつか、はっきりとは覚えていませんが、その時の王太女殿下の髪が金色だったのは間違いありません。その前、銀色だった時に、異世界エネルギーが見えたことはありませんでした。今は見えてはいますが、ユリア様と似た状態です。以上のことから、今回の王太女殿下の姿が変わってしまったことに異世界エネルギーが関わっているのだと仮定して、滞りがなくなったことで姿が変化するなら、王子殿下や王女殿下も同じようにすれば姿が変化するのではないかと思われます。王太女殿下の姿が戻った原因がヨガか歌かわからない今、王子殿下王女殿下それぞれにどちらかだけを体験してもらうことで、変化があるかないかわかるのではないかと考えます」


 カルロ所長の力説を要約すると、姿の変化に異世界エネルギーの滞りが関わっていると考えられるので、現在滞っている双子に、ヨガだけ、歌だけを一人ずつ体感してもらい、姿が変化するのか検証したい、ということだった。


「興味深い提案ではあるが……見えていると主張しているのはカルロ、お前だけだ。それでは説得力にかける」


「あー、実は、見えるだけでいいならもっといっぱいいるんだけど」


「どういうことだ?」 


「研究所の術使い候補たち。あの子たちのほとんどが異世界エネルギーを見ることができるんだ。僕と同じように通ってるかどうかまで見えているかはわからないけどね」


「その話は聞いてないんだけど、どういうことか詳しく説明してもらえるかな?」


 ルチア先生にカルロ所長が「報告していなくてすみません。個人的なことかと思ったので」と前置きして口を開く。


「気づいたきっかけは、ユリア様がヨガをする時に異世界エネルギーが見えることだったんです。もともと異世界品にあるエネルギーは見えていたのですが、ユリア様がヨガをするとエネルギーが動くのが見えて不思議でした。昼からユリア様に研究所に来てもらうようになって、同じように見えるのか他の者に聞いて確かめたところ、術使い候補の半分は見えるようでした。それから、術使いや候補たちも一緒にヨガをするようになると、僕はもっとよく見えるようになってきて。今の僕は、エネルギーの大きさだけではなく、中心に通っているものも見えるようになりました。術使い候補の中にも通っている者がいます。そうなって初めて、今まで見えていたエネルギーの濃淡だと思っていたものが、通っているはずのエネルギーの滞りだと気づいたんです」  


「それが、ユリア様と今のビアンカ様は通っていて、前のビアンカ様と今のディーノ殿下とティナ殿下は滞っている、と?」


「その通りです」


「……にわかには信じがたい話だな」


「見えないものを証明するのは難しそうだね」


「ヨガに関しては、研究所で一ヶ月続けてきましたが、特に問題はないかと。体がスッキリするという利点があるほどです。歌に関しては、僕自身が歌わないのでなんとも言えませんが、ユリア様を見る限り、問題ないかと思われます」


 確かに。私は歌いまくっているけれど、体調が悪くなったり、姿が変化したりはしていない。


「ふーん。面白いね。やってみよう」


「ルチア様! よろしいのですか?」


「ヨガと歌、どちらが影響しているのかわかるだけでも価値があるからね。それに、それがわからないと、元凶を調べることすらできない」


 アルベルトはぐっと手を握りしめた。

 そうだ。故意にビアンカ様の姿を変化させたのだとしたら、犯人がいるはずだ。


「ユリア様、協力してもらえるかな?」


「もちろん協力します!」 

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