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23.ディーノ王子とティナ王女

やっと先生のキャラがかたまってきたので、ここから書き換えていきます。

途中からですみません。

過去の文章もちょこちょこ直していきます。

 小さな生き物が美味しそうに食べ物を口にする様子ほど癒やされるものはない。


 リスやハムスターがこりこり素早く食べる姿、猫や犬が夢中でかぶりつく姿。

 目をキラキラさせて無心で食べる幼児もかわいい。

 食べ方がきれいだから、安心して見ていられるのもポイント高い。

 王族だけあって、イスに座ってからは、勢いはすごいけど、双子は姿勢正しく美しい所作で幸せそうに食べている。……食べ続けている。


 金髪に緑目はビアンカ様と同じ。

 でもビアンカ様はストレート、双子は巻き毛だ。

 ビアンカ様よりもやわらかそうな細い金髪は、ふわっふわで天使みたい。

 私が小さい子は丸い方が好みなので、余計にそう思うのかもしれない。

 双子はまさに、お菓子の天使か、台所に住んでる妖精かって感じでかわゆい。


 でも限度があるよねー。

 正直、見ているだけでこっちがお腹いっぱいになるくらいのお菓子の量なんですけど。

 実はこの世界ではこれが普通とか?

 今まで食べてきた食事内容から推測して、味覚はそれほど変わらないと思ったんだけど、実は体のつくりが違うとか?

 術使い候補の小さい子たちは特に丸くなかったから、この世界の子供全員が丸いんじゃないんだろうけど。

 貴族の子供は丸いのがステイタスなの?

 丸くなるくらい贅沢な食生活がおくれて、丸い体を包める布代があるのがお金持ちの証です、みたいな?


 でも、私が知ってる高位の子供が王族だけだから、どうなのかがわからない。

 うーん。さすがに聞けないなー、と思っていると、天使二人がビアンカ様にもお皿を勧めている。

  

「ねえさま、もっとたべてよ」


「これおいしいから」


「ありがとう」


 にっこり笑ったビアンカ様は、そっとひとつを手に取り、ゆっくりとほとんど口を開けているのがわからない様子でかじる。

 クッキー一枚にどんだけってくらいのお上品さだ。

 

「とっても美味しいわ」


「こっちもおいしいよ」


「もっともっとたべてー」


「あらあら、ありがとう」


 ビアンカ様は笑顔でゆっくりと勧められるまま食べ続けている。


「へってないよ?」


「こっちがよかった?」


 なんと双子は私の皿も見逃さず、さらに盛ってきた。


「あ、ありがとうございます」


 マナー的に上位の方からのおススメはお断りできない。

 お腹が空いてるならまだしも、昼食後すぐにこの量はキツい。 

 お菓子自体は美味しいものなのに、楽しいお茶会というより接待みたいに思えてきた。

 自然と食べる速度が落ち、お上品に見えなくもない範囲で、無理矢理がんばって口に詰め込んでいると。


「ディーノ殿下、ティナ殿下、そろそろ時間だよ」


 ルチア先生が二人に声をかけてくれた。


「もう?」


「おべんきょう、つまんない」


「ディーノ、ティナ、またおやつの時間に会いましょうね」


 ビアンカ様が励ますと、おやつと聞いた双子はすぐに機嫌を直し、きれいに挨拶して出て行った。


 え。数時間後とはいえまだ食べるの?

 私はもう今日はなにも食べたくないくらいお腹いっぱいです。


 ルチア先生が眉尻を下げた。


「ユリア様は大丈夫かい?」


「……口から出そうです」 


 冗談じゃなく。しばらく動けないくらい食べた。うぅ気持ち悪い。


「あの二人、悪気はないんだけど加減を知らなくってね」


「教えましょうよ」


「あの子たちは際限なく食べられるから、言っても聞かないんだよ」


「わたくしからも何度か伝えたのですが、遠慮しないでと、逆に量が増えるだけで」


 双子は天使でも妖精でもなく、お菓子テロ隊だった。

 

「あの、この量がここでの普通ってことではないんですよね?」


「ありえませんわ」


「お菓子は嗜好品だ。普通なら、こんな風には食べないよ」


 ですよねー。

 あー、でもそれで術使い研究所に快くお菓子をくれてたのか。

 きっと双子からもらってビアンカ様が食べきれない分だったんだ。


「本来ならあの子たちがビアンカ様のいうことを聞くべきなんだけどね。今は逆転してるから、誰も諭すことすらできなくて困ってるんだよ」


 ルチア先生の言葉にアルベルトも苦い表情で頷いた。

 発言権が、王、王妃、本来なら続いてビアンカ様になるはずが、今は先に双子となっているらしい」。

 

「私はその下だから強くは言えないしね」


 ビアンカ様や双子よりルチア先生は下なので、あまり強く言うと、王妃に話が伝わり王妃から苦言がくるとか。なにそれめんどくさい。

 ルチア先生でそれだから、他の教師や重臣の言うこともどこ吹く風。


「恐れながら、王妃様は責務を放棄しているとしか思えません」


「どちらかと言うと、ビアンカ様を引きずり落とすためにわざと放置してるって感じだね。子供を使うのがいやらしいよ」


「きょうだい仲良くするのに異存はありませんが、毎日まいにちお菓子三昧で時間をとられるのに困っているのです」 


 アルベルト、ルチア先生、ビアンカ様は、三者三様にため息をついた。

 うわー、お菓子テロで時間泥棒って。ないわー。


「カルロから話を聞いたよ。ユリア様はあの術使い候補たちをうまくまとめているんだろう? あの子たちもどうにかできないかな?」

 

 明日は我が身だ。


「ぜひ、やらせていただきます!」

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