75.ケイとアリス
前回のあらすじ
3人で誰が魔石を1番採れたか競うことにする。
更新が遅くなってすいません。
ドズンッ!
「やっぱこの剣だとサクッと切れないっスね……」
ケイの持つ銀色の刃渡りが1メートルを優に超える大剣が地面をも巻き込み魔物を轟音を撒きながら片手の一撃で切り裂く。
しかし、これほどまでに優位な戦いでありながら不満の声を漏らす。
剣はどこからともなく流れ出てきた黒い闇に包まれて消えてしまった。
「魔剣――魔物にだから聖剣の方が効率的っスね!」
――高位聖剣召喚――
ケイが魔法を発動させると目の前に直径1メートルほどの大きな白い光が球状で現れる。そして、瞬く間にその光の玉はシャボン玉のように弾け、そこには光をそのまま体現したような刃渡り1メートルを超える持つだけでも一苦労な大剣が出てくる。
先程のものよりも若干大きくなっているにも関わらず、平然と片手でその場で振ってみせる。
それと同時に空を切る音と同時に小さな爆発音にも似た音がする。そう、剣の切っ先が音速に達したからだ。先程の銀色の剣では今の遷音速どころか亜音速にも全然達していなかった。
「やっぱこの剣をセシリアさんに改造してもらってから全然違うっスよ!」
この聖剣は重量操作で重さがゼロになっており、自動修復で刃こぼれもなく常に最高のコンディションを保っている。他には聖剣が元々有する浄化の効果がある。ゲームの時の闇属性のモンスターにはダメージが抜群であったから、似たような雰囲気がある魔物にも効果が他の種類の剣より効果があるとケイが判断したからこの剣は召喚されたのだ。
その後もケイは何回か先程同様に感覚を確かめるように剣を振って満足したのか「よし、じゃんじゃん狩るっスよぉ!」っと言ってその場を猛スピードで立ち去る。
◇
「これで6つ、とっ」
ここまで全て先制攻撃で仕掛けており、その一撃でどういう仕組みかは謎であるが、黒い霧と化する。
魔物は抵抗する余地させ与えられずただだだ瞬時に狩られていくだけだった。
「あれ、あっちに落ちてる角なんだろ? さっきまでなかったし、これがドロップアイテムか!」
どうやらさっきの最初にケイが倒したサイのような魔物からは角がドロップしたようだ。
魔石よりレア度が高いとセシリア言っていたものを実際に手にできたアリスはとても嬉しそうである。
そんなときにアリスに何者かが近付いてくるのが分かった。
草木から音は鳴り続け、魔力の隠蔽もしていない。そこからアリスは敵ではなく、他の何かだろうと思い意識を向けるだけにする。仮に敵であったとしてもここまで下手な接近ならば技量もそれ並みの可能性が高いのでどちらにしろ脅威である可能性は低いと考えられる。
「あ、あっちで仲間が――!!! 虫のいい話だとは承知です……後でお礼もするからお願いだから助けてくださいっ!」
相当切羽詰まった様子でアリスに会うなり助けを求めてくる。
「分かったよ。で、お仲間さんは何人いるの?」
特に自分をハメるような感じもなかったのでアリスは引き受けることにする。
「4人います、引き受けてくれて本当にありがとうございます!」
さっきまで膝に手をついて何とか言葉を捻り出すようにしているほど息が苦しいだろうに姿勢を正して深深と頭を下げてくる。
「助けてもいないのにそんなのいいよ」
アリスは突然頭を下げられて驚いたようだ。
それよりも助けを求めてきた彼もよく見たら死には至らなそうだが痛々しい切り裂かれたようなあとや打撲あとがある。
「今、現場まで案内します!」
彼女も相当限界が来ているだろうに今来た道を往復すると言い出す。
「もう場所は把握出来てるからその心配はいりませんよ。それよりも、あなたはここで休んでいてくださいね」
アリスは男にセシリアからもらった中位ポーションを手渡し、ニコッと笑顔を作りその場を疾風と共に地を駆ける。
女が数分かけて来たであろう道をアリスはものの数秒で行く。
まだ交戦状態にあるようで、甲高い金属音が幾度となく響いている。




