66.使い切って
魔力の残量も減ったとはいえまだ7割強は残っている。
魔力を集めるための魔方陣を組めばもっと抑えられるのだが、前にこの方法で街の中で魔法を使っていたら子供だからということで注意しかされなくれて済んだものの魔力の膨大な動きを感知した徴兵に怒られてしまった。
それと俺はもう前から危険な人物としてマークされていたそうだ。
やはり街での魔法の使用は基本禁止らしい。そうであるにも関わらずポンポン使っていればそうなるだろうな。ダンジョン周辺では例外として許可がされていたそうだったので安心した。
だから俺はあれから街で使う時は魔力の動きが周囲伝わらないようにするために魔力を多く使い過ぎないように気を付けるようにしている。とは言っても感覚なので漏れる魔力が気持ち減る程度だろう。
魔法は発動する時、必要な魔力を自動的に自身から取っていき必要な魔力分以上集まると発動する。因みに必要な魔力以上込めるにはコツが要り、流すように送るのでは無く塊をボンッと一気にその自動的に集めようとする力に任せて送ると出来る。ただし、それにも限界がありそれを超えてしまうと魔法を発動せずに魔力が周囲に四散して終わる。
話がだいぶ逸れてしまったが、結局魔力を漏らさずやるのは自分の周りに結界でも張らない限り無理だ。基本的に魔力が漏れるのは魔法を発動させた後である。だからどんなに気を付けても自分が直接対策できるのは魔法が発動する前であるので、もう一度言うがこれでは無理なのだ。
しかし、俺はそれを克服してしまったのだよ。どういうこと、どうやってかって?
それは魔道具が随時一定の魔力を取り込むのは問題なく魔法の効果があるなら、それに対抗する魔道具を作ってしまえということだ。そこでこの魔道具。効果は結界内の魔力を瞬時に結界外と同じ濃度に揃えてくれるという代物だ。ただし、魔法陣を使うようなものには流石に対処できないからそれ以外のならという条件付きである。
こんなスゴいものもちろん自分には到底作れない。そう、これはあの注意してくれた徴兵の人がついでにっと何故か自分にこんな高そうな魔道具をくれたのだ。
何故自分にここまで寛大な処置と高性能な魔道具を無償でくれたのか未だ分からない。そういえばここまでしてもらったのに自分の名前を言っただけであの徴兵さんの名前を聞けてなかった……。それに顔はヘルムを被っていて確認もできなかった。残念ながら今思い返せば全く手がかりなしということか。
いや、あの人からはなにか別のオーラのようなものを感じた。それを頼りに探すのは、同じ格好をした大勢の人という中ではあまり役に立ちそうにもないな。
——っとスクロールにそういえば付与を施している最中だった。
なんかちょっとこの作業にも飽きてきちゃたしこれで最後のスクロールにしようか。
付与の内容は【解毒魔法 中】、【魔力回復速度上昇】【欠損部位再生 高】にしよう。
【解毒魔法 中】は瞬時に致死量の3倍までの毒を無毒化する。
【魔力回復速度上昇】は約10分ほどの間魔力の回復するペースが100倍になる。自分の場合だったら大体空の状態から3分程で満タンになるという計算になる。
【欠損部位再生 高】は想像したくも無いがもし腕などを切り落とされても他の傷等を纏めて回復してくれるというものだ。もし肩から腕が無くなっていたとしても、1から再生するならばもちろん1分程度かかってしまうが切り落とされた腕を宛てがいながらであればものの数秒で治ってしまうという超高性能だ。更に血液等までも回復させてくれる。
要は身体を最高のコンディションに保とうとしてくれるのだ。
ただし、効果時間は2分前後と少々短いし最高のコンディションにするからといって自身の筋力を最高値まで上げたり、ステータスアップは期待出来ない。
そうそう、あの半日前の状態に戻すポーションって結構危ないやつなんだよね。前俺が使ったら記憶まで半日前まで戻る、つまりその間のは消えていてしまった。普通にあれ以来使うの辞めたし、みんなからも封印命令が降ったからあれは完全封印!
そんな訳でこんな有用な回復手段を秘めたスクロールを求めることがあるだろうと作ることにするのである。
俺は今から付与する魔法に必要なスクロールの面積を、ふと手前に広げられた1枚のスクロールを見て思う。全然足りないじゃないかっと。
ざっと5帖、つまりこれの10倍の面積は必要だ。
まさか、スクロールを繋げる魔法を持っているはずもなく、不本意ではあるがこのサイズのスクロールが今のスクロールの10倍くらいなんて簡単なことで済むとは到底思えない。またお金を集めないと買えないだろう。
諦めた俺は残りの魔力を使って致命傷レベルの傷を1個くらいを30分で治せる魔法にする。
これがこのサイズのスクロールの限界くらいである。
気持ち切り替えてラスト頑張りましょうか。




