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神のマジシャン〜やはり魔法は便利です!〜  作者: 重曹みっくす
第4章 ルキン帝国へ行こう
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63.ご厚意に甘え

前回のあらすじ


門番の人の対応がとても良かった。

 ◇


 ほほう。ここが例の店か。


 あの門番のレオナルドさんたちと別れて5分程。店が多く集まる一帯にこの店はあった。

 さっきのギルドに来るまでは碁盤の目のような町並みで、似たような造りの建物が立ち並んでいるのもあって、方向感覚が狂うとはこのことだった。しかし、レオナルドさんの地図は目印などが記され、非常にわかりやすい代物だ。きっとこれを持ってして道に迷うことはないだろう。しかもあの短時間でこの完成度、素晴らしい。


 店の外観はというと、この世界では珍しくもない、他の建物と同じような中世を彷彿とさせるレンガ造りだ。

 しかし、店同士の間がまるでベッドタウンの住宅地のように密接しているのは珍しい。


 さて、ウロウロしていても目立ってしまって仕方がない。店に入ろう。スラークという店名だ。




 ちなみに目立ってしまうのは、自身の余りにも可憐な容姿のせいであるとは、セシリアには知る由もない。 



 その店の扉を開くと店というには商品が少な過ぎる猥雑と無縁の空間があった。

 しかし値札もついておらず買うのには少し勇気がいりそうだ。抑、これが商品であるかどうかも怪しい。


「いらっしゃい。ここの店ははじめてかい?」


 物珍しそうに店内を見回していた俺に少しうねった白髪を方のあたりまで伸ばしたおばあさんがカウンターから声を掛けてきた。


「あ、はい! トレードギルドの門番の人がここの店がいい店と教えてくれたので来ました」


 意外だったのか「へぇ」と嘆声を漏らす。


「野暮なことを訊いて悪いね」


 トレードギルドというのは少し余分だったか?


「それでお嬢ちゃんは今日はどんなものをお求めなのかい?」


 なるほど、どんなものが欲しいか言えば探して持って来てくれるといったシステムか。それだと大きな商品だと悪いけど相当な負担になると思うけれども大丈夫かな。

 危なそうだったら手伝うか。心配するのも、電車で席を譲るのと同じように見極めが難しいのだ。


「えーと加工されてない刻印紙(スクロール)ってありますか?」


 出来れば百枚は調達したいが、在庫と何より値段を確認しなくてはならない。


「加工()()()()()()刻印紙(スクロール)で本当にいいのかい? 職人さんにやってもらった刻印紙(スクロール)もたくさんあるよ」


 職人さん、それはきっとドワーフの人たちのことだろう。それも悪くないが、今は経費削減のため自分で加工するのだ。ゲームのときもよくやったことだから、心配には及ばない。

 というのが本音だが、そんなことを言えば話が違う方向に進んでしまうのであくまで建前で話す事にする。


「実は私、魔法学院生なの。だから、折角上達した魔法を使って友達にプレゼントを作ってあげたり、魔物を倒しに行くときの手段として使いたくて」


 どれも決して嘘ではない。

 カリス、ティアナ、エンセリアたちにお土産として手作りで何かはまだ決めていないがプレゼントをするつもりだ。そして、上達したというのもスキルなどの使い方を学院で教えてくれてより使えるようになったから本当だ。魔物に使うというのに関してはそのままの通りアイテムを魔物に対しても使うつもりだ。


「若いのにだいぶ自立しているようだね。刻印紙(スクロール)は1枚100ゴールドだけどお金は大丈夫かい?」


 1万円か。よし、金銭的には100枚買えるな。しかし問題は在庫がどのくらいあるかだ。


「お金なら問題ないです! それで在庫はどのくらいありますか?」


「50枚くらいだと思うけど、それがどうしたのかい?」


 あちゃー、一人で全部買い占めるのは良くないから全体の二割の10枚といったところかな、買えるのは。


 他の店もまだまだたくさんあるし、今日の目標はスクロールをできるだけ調達することにするか。


「できるだけ調達多くのスクロールが欲しかったので在庫がどのくらいあるか訊きました。えーと、だからスクロールを10枚ください」


 これでひとまず十枚と獲得といったところか。


「なんだい。そういうことなら全部買っていきな? どの商品も早いものがちだし、毎日商品は仕入れているから大丈夫だよ」


 え、本当なのか!? ならばそのご厚意に甘えさせていただくとしよう。



 ということで結局俺はスクロールを53枚手に入れられた。


 スクロールを全部買うことを決めると、奥の部屋にまるで誰かに呼びかけるようにスクロールをすべて持ってくるようにっと言い出し、何事かと思うと若い男性がそれに返事をして奥の部屋からスクロールを持ってきた。つまり、この店はおばさん一人でやっているわけではないようだ。


 そのことに少し安心感を覚え、再び他の店へ俺は歩き出した。



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