61.宿を出て
前回のあらすじ
トレードギルドについての説明等。
◇
街には歩いてるときにも気づいたのだが、道の脇の至るところに街の地図がある。これだけあちこちにあるのはここに外部から訪れる人が多いからだと思う。その地図は中世の町並みにはそぐわぬ非常に精密なものだった。
やはり、魔法とは便利なものだ。
その地図を見てわかったのだが、思いの外泊まれる施設は多くそこまで優先しておくことも無さそうだった。——っと思ってそこからテキトーに選んだ宿に行くとほぼ満室で、高級な部屋が一部屋と安価な部屋が二部屋あった。もちろん、これから大きな出費になると思う故に安価な部屋をお願いしたのだが、100ゴールド程払うことになった。
このルキン帝国は物価が高いことでも有名だ。長居は控えたいところではあるが、お金が足りなくなればここにも冒険者ギルドはあるのをさっきの街にあった地図で確認済みだからそこで稼ごうと思う。
例えば、100ゴールドならあのダンジョンの三階層の魔物から採れる小ぶりな魔石程度で稼げるお金だ。ここに来るときは一度も訪れたことがなかったので、馬車を乗り継いで来たが今は転移魔法で行くことも出来るので、よほどのことがない限りお金に関して困るといったことは無いと考えているのでそこはあまり心配ない。
しかし、一番心配なのがそういえばトレードギルドを利用できる年齢が成人してからという点があったことだ。冒険者ギルドのような特例扱いは少なくとも俺対しては無いと思っている。では、なぜここまでわざわざ来たかって? もちろん確証がないから……というのは建前で今になって気付いたからです。もしも先に気づいてたら誰かには事前に聞いただろうが、どちらにしろここには来るつもりだった。別に言い訳がしたいがために言ったのではなく、前にも言っただろうがここにそのようなギルドができた理由である高い技術によって生産されたものを求めてだ。
一体さっきまで俺は誰に対して忙しく言ってたかは分からないがもうトレードギルドに着いた。
トレードギルドを人たちの身なりは絢爛豪華たるものでまるで別の世界にでも来てしまったかのようにさえ思えた。それに対しセシリアの身なりは今までは相当抵抗があったのだが、この見た目である以上もったいないと思い最近では女の子らしい格好を前より自然にできるようになった。振る舞いはまだまだ変わっていない——というかここに関しては変えるつもりは無いようである。
そして今も一応スカートを履いているものの割と全体としてあまり派手な色では無い。しかし、セシリアは気づいていないみたいだが、そのシンプルな格好故に自身が際立ってよく飾られていることには気付いていない。
それにまだどこから見ても幼い子供だ。
前は背中に大剣を担いでいたが、見た目的にも物騒だし重さは無いとはいえ動きが制限されて少し邪魔だから空間収納にて管理している。もちろん魔物が湧いているダンジョン内では常時出しているのだが。
しかし、もうギルドの手前だ。これ以上ここにいると不審者——ではなく迷子なのかと思われる。要は、ここを立ち去るか意を決してギルドに入ろうとするかだ。
そしてセシリアは決断をくだし歩きだす。
「どうしたの、お嬢ちゃん?」
ギルドの門の前には、壁のような門番がいて自分に気付き声を掛けてきた。いや、さっきからここをウロウロしていて気付いていたが、ここに入ろうとして声を掛けたというところか。
「あ、買いたい物があってそういう相談をしたいならここがいいって聞いてここにきたの!」
門番の人たちは場違いの俺に対しても優しく接してくれたので年齢相応かは分からないが、フランクな感じで話すことにした。
「誰かと一緒にここに来たのかな?」
「ひとり〜!」
少々——だいぶアホっぽくなってしまった。後悔しても仕方ない。しかし、このさっきの言い方だと多分無理だな。
「そうか。お金はどのくらい持って来ている? 誰かに指示されてきたのか?」
あれ〜? これって結構好感触なじゃね。
「ううん、お友達にとびっきりのプレゼントをあげたくて自分で決めたの。お金なら2万ゴールド持ってきてる」
日本円で言ったら200万円だ。それがこんな小さな子が持っていたらもし逆の立場としたら、今後そのような大金を持ち歩かないように言うがこの人はどんな反応をするだろうか。
キリが悪くなってしまいました。




