49.一人称
前回のあらすじ
正体は自分の担任の知り合いだった。
ギルドで用事が済んだ俺たちは、宿に戻りそこの食堂で食事をしている。
「稼ぎは少なかったですが、学院――先生にも会えましたし、ギルドの中でも偉い人と会えましたから私的には今日の過ごし方はとても良かったですね」
そして、今は今日のことを振り返ってると言ったところだ。
「あ、そういえば冒険者情報も更新されたよね? どんな感じになったかな〜」
そして俺たちはポケットから身分証を取り出し、冒険者情報の欄を見る。
【冒険者情報】
《冒険者ランク》E+
《冒険者歴》0ヶ月
《総依頼受注件数》1件
《依頼達成率》100%
100%ってことは達成出来たのか。ってそんな再確認はおいておき、E+になってるな。
確か、受付の人の説明によるとランク以上の実力がある人にだけ付くらしい。
たった1回の依頼の結果で、これにどれだけの価値があるのか知らんがもう少し様子を見るものでは無いのか? 別に嬉しいから全然いいんだけどさ。
もしかしてギルドの偉い人がわざわざ顔を出したのって、このプラスを付けるため? いや、他にも僕たちの担任の先生と知り合いでその推薦だからということも相まってだろうか?
「なんかプラスのマークが付いてるぞ!」
エンセリアの声でそのことを考えていて意識がどっか行きかけていたのを引き戻される。
「ボクも付いてたな」
「私もあったよ〜。ということはティアナちゃんもかな?」
「はい、私もありました。それは冒険者ランク以上の実力があると判断された人だけがもらえると受付の人が言ってましたから、きっと私たちは今回の依頼でそのような評価に値するだけだったということでしょうね」
ほほう、みんなあるのか。しかしティアナってどうも子供とは思えないというか常に大人びてるよな。身長もこの歳で140センチメートル近くあり、長い黒髪も艶があってお姉ちゃんキャラって感じだ。でも、双丘は俺たちと同じでまだまだなんだ――ってやめろやめろ!
俺はエロ親父かよ!? まあ、実際? なんか、段々そっちの方にいきかけて? 目線も自然と下の方に落ちかけたけど断じてそういうことは無いからね?
――ったくこんなやつが美少女の姿を騙ってていいのかよ。幸い俺はチキンだからいいけど――いや、全然良くねーな。誰だよ! やったやつ俺の姿を元に戻せ!
……待てよ? 別にやったやつが戻すか、いるかも分からないんだ。なら、自分でやればいいじゃないか!
くふふ、なぜ今の今まで気づかなかったんだよ。
よし! みんなが寝たあとこっそり部屋を抜け出し人目が無いところで試してみるか!
これで俺の異世界ハーレムが実現出来るんだ!!!
「セシリアさっきから一人で考え込んだり、ニヤニヤしたりどうしたんだぞ?」
「え、いやーなんでもないから大丈夫だ。ちょっと俺たちの評価が上がったのが嬉しくてな」
そりゃニヤニヤするのも仕方無いだろうよ。
「俺? セシリアちゃんほんとにどうしたの?」
ヤバい、これは一体どう誤魔化せば……!
「こっちの方が強そうな感じがしないか?」
そう。こういう時下手に誤魔化すと傷口が余計広がるだけなのだよ。
ならばこうやってそのまま押し切るのみだ。
「さすがにそれは女の子として……」
「女の子なんだから自覚して!」
「セシリアは男じゃなくて女なんだぞ?」
否定されてしまった。だろうな。
ボクっ子までということか。まあ、俺も正直な話そのラインだ。何が押し切る、だ。というか押し切れても困るからこれで寧ろ正解なのだがな。
「分かった。ボクにするよ」
そう言うとみんな納得してくれたようだ。
俺って人間は全く大変だな。
次回は割と重要な分岐点になりそうですね。




