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超未来から来た男

作者: A117

未来から人間が来たらどうなるかなと想像してふと浮かんで暇つぶしに書いたものなので大した話じゃありません ごくごく短いお話です。

シュイイイイ、、澄み切ったモータ音と共に光が差し込んでくる。

彼は目を覚まし鉄で出来た真っ白でスベスベした棺桶のようなベッドから身を起こし音を立てているフタを閉じた。『phバランス7システムオールクリア、アルファリ、リリリリズムオフフフフ、、ガガ、、』 「そろそろ替え時かな」そう呟くとベッドのスイッチを切った。

ここは今からずっと先の未来 2000018年の日本だ 彼は今からある重大な仕事の為に出勤準備を始めた

部屋を出るとロボットのアームが天井から伸びてきて彼を着替えさせ髭を剃り髪を整えた いつもと寸分違わぬサッパリとした爽やかな髪だ。

ベアリングコンベアの床に乗りリビングまで運ばれ椅子に座ると机の真ん中が開き出来立ての朝食が出てきた。「おはようございます よく眠れましたか」そう聞くのはこの家を管理しているオートプログラムだ といってもただ言われたことに対して予め録音された適当な語句を繰り返すだけのやや古い型だった。 別段感情があるわけでもないのでその問いかけに答える事はせず男は黙々と朝食を食べはじめた。

そこに彼の妻が入ってきた 「おはようあなた」「おはよう」「今日はいよいよあの日でしょう?気をつけて行ってね」「別に大丈夫さそんな危険なとこじゃないと分かりきってるし何から何まで予定通りにしか進まないよ」「それもそうね」「さ、そろそろ行かなきゃ行ってくるよ」そういうと男はスイッチを押しロボットアームが紙の皿をダストシュートに捨てた こうする事で衛生的に全く汚れに触れなくて済むわけだ

男が玄関のノブに触るとまたあのアームが出てきて彼の体にビニールで出来た防護服を着せた 防護服の装着が終わったことを確認すると表に出た


外では白い光がさんさんとどこにも満遍なく降り注いでるがこれは太陽の光ではなく空を覆い尽くす天井に付いている照明からによるものだ

黒死病 エボラ出血熱 猿インフルエンザ tーウイルス 幾多の病気を乗り越えた人類が最後に行き着いた答えが地下に完全な無菌室を作ってそこに暮らすというものだった

ここなら地上のあらゆる病原菌や放射線 宇宙からの光線からさえ身を守れ全くの汚れなき人類の叡智の結集とも呼べる完璧な世界だった

しかし始めの何十年か暮らしてくうちに不満も出てきて地上に戻りたいというものも現れた。

そこで何人か地上に出たもののそこにはもうかつての面影はなく人間たちの残したゴミによって何も住めない死の世界になってしまっていた 始めの頃は仕方ないと諦めていたがやはり地上に戻ろうと国際会議で決定しタイムマシンとウイルスデストロイヤーが発明された。

タイムマシンで過去の地上に戻りこの兵器を使い過去の時点でウイルスを絶滅させる計画なのだそして彼はその重要な乗組員だ。


彼は会社のホールに着くと盛大な拍手で迎えられたその様子は世界中全てのテレビから中継がなされたが無理もないだろう、なんせ人類初のタイムトラベラーでこの世界を救う勇者なのだから 総理大臣を始め各国首脳から賛辞が送られた 式典がすべて執り行われるといよいよ彼はタイムマシンに乗り込んだ

スイッチを入れると後ろの羽がクルクル回り出し大量のプラズマが放出された その光はマシンを包み込みやがて大きな青い炎と化してやがて消えた すなわち成功だ 世界中から大歓声と拍手が巻き起こり誰もが喜び祝福した



2018年 東京の外れの空き地 地上2メートルの場所に小さな炎が現れそれが大きくなっていった タイムマシンの転送が始まりピカピカっと輝きマシンが現れた

それはゆっくり着陸していきやがて止まった

男が目を開けると窓の外に青い空が見えた 緑の木 明るい光 何もかもが始めてみるものだった 早く外に出たい! シートベルトを外しドアを開けて地上に足を下ろしたその時だった

男の体は熱くなり目は一瞬で焼け落ちた 体もピキピキとひび割れ爪も剥がれ身体中が燃え始めた

人類は長い時間無菌状態の地下で暮らし日の光に当たらなかった為知らず知らずの内に地下に適した進化をし 日の光にとてつもなく弱い緑色をした別の生き物に変わり果てていた

小さな埃にさえ耐性の無い彼は排気ガスと僅かな砂埃の漂う地上の空気で息が出来なくなって倒れた

身動きも取れぬまま日焼けしてみるみる体が溶けていくとついに彼は生き絶えた


夏の日の東京の空き地 ピカピカした四角い機械に黒い塊がへばりついていた


ね?雑でしょ? 過保護な衛生管理がなされた未来世界それは我々にとって良い世界なのか?



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