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第5話

 ーー猪を倒してから、さらに約二十分後。


 相変わらず森を進んでいると、少し先に木々が途切れているのが見えた。期待を抱きながら急いで向かい、そこに着くと俺は、その景色を見て、思った。なんて綺麗な所なんだ……と。ここはまさしく絶景だった。

 湖は、水が透き通っていて、色はエメラルド色で水が太陽の光に反射し、キラキラと輝いていた。日本でも、探せばいくらでも見られる景色かもしれないが、俺には、前世も含めて生まれた中で、一番美しいと思った景色だった。

 景色に感動し、湖を眺めていると、魚が泳いでいるのが見えた。気になって出来るだけ近づいて見ると、あることに気が付いた。……そう。こいつも、今まで倒して食べてきた奴と同じで少し大きい。まぁ大きさは、1mくらいで昔みた大きな鯉と同じくらいだ。あの魚も魔獣か? んー。まぁ八割方そうだろうなぁ。鑑定を使えば分かることか……。

 スキル『鑑定』。


「名称 ワイルドフィッシュ  危険度D  LV12

 解説

 魔獣の魚類の一般的な種の一つ。全長は約1m~3m。雑食で基本的に何でも食べる。遠距離攻撃はしてこない為、水に入らない限りは安全」


 んーなるほど。つまりは、陸にいる限りは安全ってことか。それにしても、やっぱり魔獣なんだな……。ってゆうかこの世界の動物は、魔獣しか居ないのか? んー。……まぁいいか。それはそうと、あの魚はどうするか? いつもみたいに狩っとくべきか? あの魚レベル高いからレベル上がると思うし。……いや、そもそも蛇が泳げるのか分からない。やめておくか。飯もさっき食ったしな。

 それじゃあ今度は、拠点作りをするか。蛇の巣っていうと、土の穴か木の穴みたいな所だよなぁたぶん。んー。どうするかな……。土の穴は、個人的に元人間として嫌だし木の穴を探すか。おっと、その前に湖で水飲んで行くか。

 ゴクゴクゴク。ぷはぁー。……よし。木の穴探しに行くか。……んー。この木もない。この木もない。中々見つからないなぁ……。はぁ~。ないーかなぁ。と、少しため息を付いていると、少し先に半分くらいの所で折れている巨木を見つけた。近づいて見てみると、辺りに折れた先の部分が倒れていた。どちらにも空洞が有るため、どちらも拠点を作れそうだった。……少々迷ったが俺は、魔獣に踏まれて拠点が壊れる。なんて可能性を考えて、折れた先じゃない方に拠点を作る事にした。

 よし。場所は、決めた事だし次に手直しだな。この木は、折れた所まで空洞だったようで天井が、がら空きだった。とりあえず屋根作るかぁ……。それじゃあまずは、その辺の長い木の棒を何本もんも咥えて木の上まで運んで並べる。これが骨組み。……次に、その辺の藁っぽいものを乗せて、屋根にする。そして最後に石をーーふんー! ふんー! くそー! 持てない、運べない。うぅー気合いだー! ファイト一発! はぁはぁ。屋根に乗せてこれで、屋根が飛ばされないようにする。ーーよし。これで、一応、屋根は完成だな。まぁ雨漏りはするだろうけど……。次に入り口を体当たりだ!

 数回体当たりを繰り返すごとに、徐々にヒビが入っていった。

 よし。これで最後だ! 目一杯力を出し体当たりをすると、やっと穴が空いた。あー。頭いてぇ……。入り口ができた事だし、それじゃあ拠点の中入ってみるか。

 入ってみると、幅はだいたい1.5mくらいで結構広かった。

 おー。これくらい広かったら、丁度いいな。ああでも、ここ窓がないからちょっと暗いなぁ。……まぁしょうがないか。

 拠点の確認をして外に出ると、もう暗くなり始めている事に気が付いた。拠点の周りも少し整備しようと思ったけど、もう寝るか。それじゃあ、入り口をデカイ石でふさいで、おやすみー。


「ピュー ピウピウピウピウピウ」


 ふぁー。もう朝かぁ。拠点の中には、屋根の藁の隙間からほんの少し太陽の光が差し込んでいた。ああー。今日は、何をするかな……。色々と考えながら、入り口の石を避けて外を見ていると、昨日の大きな虎猫が遠くで水を飲んでいるのが見えた。朝は、あいつここで水を飲みに来るのか。いつか奇襲するときは、ここでやるか。まぁ、結構先の話だけどな……。よし。今日は、拠点の周りの整備と、俺が泳げるか調べるとするか。

 今日やることを考えた俺は、あの虎猫がこの辺りからいなくなるのを待って、行動を始めた。

 えーっと。それじゃあ、まず拠点の周りの整備か……。んー。何かしようと思ってたけど、やることないな。拠点は屋根以外は、元のままにしてるから周りと合ってて目立たないし、わざわざ周辺を変える必要はないか……。拠点の整備が要らないなら、湖の浅瀬で泳げるのか試すか。


 よし。ここなら、浅くてあの魚はこれない。それじゃあ試してみるか!

 あぁー冷たい。体が伸ばせるくらい先まで行くと……ん? その時俺は、体が沈んでいないことに気が付いた。気になって首を回す。水面を見ると、体が水上に浮いている事に気が分かった。これは……水面張力で浮いてるのか? ……浮くことは、分かった。けどどうやって前へ進むんだ……? んー。あっ、そういえば昔テレビで、蛇がくねくねしながら泳いでいるの見たことあったな。そう言えば。なんでもっと早く思い出さなかったんだろう。よし。そうと分れば早速泳いでみるか。体をくねくね動かして右、左、右、左。おー進んだ! おっと、あまり深い所に行くのは、危ないなまだ。体を上手く調整してUターンして、一回陸に戻るか。ーーよし。あれだけ泳げるようになれば、あの魚も倒せるだろ。戻ってくる時に、30秒くらいなら潜っても大丈夫かも確かめたしな。そうと決まれば、今日の昼飯は魚だぜ!

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