第15話
よし。それじゃ、今日は俺の拠点側の湖の探索だ! 気合い入れて取りかかるぞー。おおおおー!! 自分の中でやたらとハイテンションになって今日こそは魔獣見つけるぞ、っと意気込む主人公であった。
チャポン。という音を立てて湖の中へ入ると冷たい水の感覚が体全体に沁み渡る。
多分今は9時くらいだから、時間的に今から数時間は潜っていられるか。それじゃあ早速スキルを使用して魔獣見つける探索の旅といきますか。
スキル『鑑定』マップ。
心の声に反応して視界の右上にマップが表示される。
実はこのマップ機能だが昨日使っているうちに色々と気付いたことがあった。一つは水中の中にいると小さな文字で水深を表示していると言う事。ぶっちゃけると、あんまり必要ない気もするが情報量が多い事に越したことはない。次にこのマップはいつも右上に表示されているのだがーー
スキル『鑑定』マップ ウィンドウ化。
っと唱えることで、普通の鑑定結果と同様にウィンドウにマップが表示されるようになる。所謂ラノベの某主人公が使っているマップになるのだ。個人的にはこちらの方が使いやすいため今後はこっちで使っていこうと思う。最後にこのマップ機能と聞き耳スキルを同時に使用することで、魔獣の位置を赤点でマップ内に表示できる事が判明したのだ。この能力は本当に凄い。測ってみた所自分から半径100mくらいの範囲で使用する事ができるみたいで、今後の魔獣探しに大いに役立つと思う。また一歩ラノベの主人公に近づいた気がする……。まあ異世界転生とかしちゃってる時点で誰かから観れば俺はもうラノベの主人公なのかもしれないが、まあそれは自意識過剰って言うやつだろう。
さて、マップについて御復習いしたところで真面目に探索行いますか。マップを確認しながら取り敢えず湖底まで行ってみる。
湖底を目指して潜る事数十分。やっと、砂や岩などが見えるようになってきた。湖底は湖の中心側に向いて傾き坂のようになっていた。ーーふぅ。やっとついた。今の水深は……160mか。中心まで行けば200mくらいまで水深がありそうだな。近くに敵は……いないか。まあ今はマップの表示してる範囲を狭くしてるからな。もっと範囲を広くして……でた! ってか、結構多いな。赤点の個数は1、2、3……12。12匹か。流石に一斉に襲われたらやばいな。一番近いのは……この俺から見て10mくらい右に行った所にいるやつか。
マップに表示された一番近いところのやつを指があったならクリックするような感じで着目すると見ていた赤点の上に「ワイルドフィッシュ LV15」と表示された。
へっ? ええっと、こんな機能あったんだマップって。初めて知った。いや、赤点で敵が表示されるのは知ってたけどまさか名前とレベルまでわかるなんて。ホントに俺のスキルは優秀だな。それじゃあ他の奴も表示させるか。一つ一つに意識を向け4つ目を表示させようとしたのだが……あれ? 表示されないな。
気になって他の奴を表示させようとすると、これは表示する事ができた。
あれ表示された。なんでさっきのは表示されなかったんだ? なんか条件があるのかなぁ。例えば距離とか。……まあ、表示できないのは後回しにしてできる奴だけ表示させてみるか。ーーよし。これで出来るのは全部か。出来なかったのは、全部で3つか。なんでこの3つは出来なかったんだ? 表示できてるやつのほうが距離が遠いやつだっていたから、距離っていう線は無いだろうし。ワイルドフィッシュのレベルだって10LVから進化目前の19LVまでいたし。ん?
ここで一つ疑問に思った。俺は今なんて言っただろうか。ワイルドフィッシュのレベル。っていうことはつまり、表示されているのはワイルドフィッシュのみ。それなら、俺が毎回行ってきたその魔獣で食事を取ること。もしくは視認すること、とかが表示される条件なのではないだろうか。……考えても埒が明かない。百聞は一見にしかず。これは今の状況でも言えることだろう。だったら俺の取る行動は一つ。取り敢えずここから一番近い40m離れた名前とレベルを表示出来なかった奴を見に行って、あわよくば狩るだけだ。
移動を再び再開してから進むこと数分。スキル隠密を使用しながらバレないようにと、移動を進めて意外と早くその魔獣に会う事ができた。その姿は初めて見る魔獣だった。俺の考えは間違っていなかったんだなっと少し自慢げになる。
頭は八角形のような形で、四足歩行。尻尾があって、鱗があり爬虫類のような見た目をしている。そして最後に掌に水掻き。こんな生物をなんていうか。そんな問題が出たら真っ先に思いつくのがこれだろう。蛇への進化へは諸説あるがその中の一つの蛇の元だったのではと言われている生物。そう、トカゲである。
いやー。それにしても、あのトカゲなんかあんまり怖く無い。大きさは俺と同じ3mくらいあるのだが、やっぱりあんまり怖く無い。何故だろう……。まあ、人を見た目で判断するのはよく無いって言うし、魔獣も同じだろうから一応鑑定使っておくか。
スキル『鑑定』。
「名称 水中蜥蜴 危険度 C LV23
解説
蜥蜴型魔獣の一種で大蜥蜴の亜種。体長約2m~5m。見た目は結構可愛いが、実は凶暴な生き物である。目の前に動く物体があるものなら、すぐさま食い千切り食べてしまうと言う習性をもつ。以前、池で釣りをしている人が偶然釣り上げてしまいそのまま餌食になってしまったと言う話がある。水でも陸でも呼吸ができると言うハイスペックな魔獣である」
ええ……なにこれ。こいつランクとレベル高っっか!!




