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第10話

 ーー巨大猪討伐から約五時間後


 土の臭いがする。体の周りは少し冷たくひんやりしている。

ふぅあー。……俺どうしてたんだっけ。森の探索に来て、それで……そうだ巨大な猪に出会したんだ。そいつをギリギリの所で倒して、休んで体力回復しようと土の中に潜ったんだったか。……それならまずは体力確認からするべきか。

 スキル『鑑定』自身。


「名称 スネーク  LV20 “進化可能”

 HP260/400 MP110……」


 ……HP260か。結構体力回復したな。睡眠や休息をとると1時間で約50くらい回復するのか。魔獣の自然治癒力ってすごいな。それとも魔獣じゃなくてスネークだけなのかもしれないが。……まあいい、睡眠や休息をとると体力を回復させる事が出来る。この事だけ覚えておこう。……それじゃ、HPも回復した事だし進化してみるか! まあ、って言ってもどうやったら進化が出来るのか分からないんだよな。ゲームみたいに取説とかあればな……。っ待てよ、ゲームみたい? ここでふと俺は前にも同じ言葉を言っていた事を思い出した。そういえば最初に自身を鑑定した時にも思ったよな。……もしかして俺のスキル『鑑定』って俺に分かりやすいようにゲームみたいに作られてるんじゃないか? だとしたら自身の鑑定結果がステータス画面みたいになっている事にも合点がいく。ゲームみたいに出来てるって事は、ウィンドウに表されてる進化可能をクリック(ウィンドウ内の物を注目)すれば進化出来るんじゃないか。……よし。取り敢えず試してみるか。そう言って、ウィンドウの進化可能を注目すると、新たにウィンドウが表示された。


「進化先 “ラージスネーク”  “アクアスネーク”」


 選択肢が2つあるのか、ラージスネークとアクアスネーク。アクアスネークってのは前出会した暗い青色の奴だよな。確か遠距離攻撃ができるんだったか。……片方はまだ分からないから取り敢えず比較するために一回どっちも鑑定するか。ウィンドウの進化先二つに注目し再度鑑定……


「名称 ラージスネーク 危険度 C

 解説

 スネーク種の一種でスネークの上位種。スネークの進化した姿で全長約10m。通常のスネークと同様遠距離攻撃は出来ないが、力が格段に上がり大型の魔獣も絞め殺す事がある

 進化条件

 ・スネークのレベルが20である事」


「名称 アクアスネーク  危険度 D

 解説

 スネーク種の一種でスネークの亜種。全長約3m。普通のスネークとは違い遠距離攻撃ができる。Dランクの魔獣ではかなり強く、Dランクパーティーがアクアスネークに壊滅させられたという話も少なくない。主に海や湖など水辺で生息しているが、数が少なく珍しい種

 進化条件

 ・水系統のスキルを所持している事。

 ・スネークのレベルが20である事」


 ……なるほど、ラージスネークは能力は無いけどランクが上がって大きくなって力が強くなる。一方、アクアスネークはランクは上がらず力は強くならないけど替わりに遠距離攻撃ができる能力が増えるのか。どっちにするべきか……。単純に力だけでいえばラージの方が強いけど、遠距離攻撃とスキル隠密は相性が良いし、ランクが低い分まだこの先でもっと強くなる可能性がある。それならここはアクアスネークにするべきかな。……よし。アクアスネークにするか。将来的にアクアの方が良いと思うし、何より珍しいらしいしな。

 それじゃアクアスネークに進化!

 その言葉を喋ると一度ウィンドウのアクアスネークという文字が青白く光り、その後ウィンドウは消失した。

 あれ? 何も変化が無いんだけど。首を回して自分の体の色を確認するが変化した様子はなかった。おいおい。なんで変わって無いんだよ! なんでだよ! 進化するってどんな感じか少し楽しみにしてたのに変化なしって、こんなの詐欺やん。はぁ~。……まあいい、そのことは後。もう今日は家に帰って、そのあと考えよう。外は危ないし、もう疲れたから。はぁ……でも何で進化してないんだろう?


 ーー約十五分後。


 疑問に思いつつも文句を言いながら家に帰り始め約十五分。今の所魔獣には出会わず順調に家に向かっていた。

 んー。何度考えても何で進化出来ていないのか分からない。レベルは足りてたし条件も達成してた。それなのに進化はしていない。バクかな? でも、これはゲームじゃ無いしな……。まあ考えても分かんないし、考えるのはこの辺にして集中しないとな。ここは、外何だからな。

 再び集中したその時、前方約20mくらいの所に何かがを動いたように見えた。

 ん? 疑問に思い目を凝らしてみる。あれは……人間か? 頭にはフードを被り、腰に黒い鞘の短剣。某ゲームに出てきそうなレザーアーマーを纏い警戒した体勢で森を進んでいる。物音をたてず、周囲警戒しながら探索をするその姿はまさしくシーフそのものだった。

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