彼らの正体とは
※これは異世界ものではありますが、恋愛ものではありません。m(__)m
第2話「彼らの正体とは」
[彼らの正体]
「ここってとっても綺麗ね。」
空は青く、和風の建物が建ち並び、色々な色の提灯で賑わっている。まるで夢の世界のようだ。私達はたくさんの妖がいるなかを通っていった。
「まず俺らが何者かということだな。」
「うん。他の人には見えないらしいけど。」
「あぁ。お前は妖というのを知っているか?俺らはその妖というもので、普通は見えないが、俺たちの科学によってできた、試作品の娜々魏草か、紛れ込んだらしい。」
「え!副作用とか大丈夫なの?私、食べた瞬間一回倒れたけど。」
「あぁ。多分それも、副作用の一つだろう。しかし、副作用がもう起きないとは、言いきれない。科学者から一言、これからも気をつけることだ。」
「あんたって科学者だったの!気をつけることだって、ひとごとのように言わないでよね。」
「あんたとはお前に言われたくないな!」
「お前っていってるのもあんたでしょうが!」
これじゃあ永遠に続くではないか。そう思った私は、一回息を落ち着かせて言った。
「はー。これじゃ永遠に続くわ。では、今から自己紹介をしましょう。」
「!お前に自己紹介など…っ!…しょうがない。自己紹介なしでこれからいられるはずがない。」
「?」
「俺の名は鶴。この茜 雪岐郷で科学者をしている狐系妖だ。」
「あんた…じゃなくて鶴さん、だっけ。猫じゃなかったのね!」
「当たり前だ!この尾を見ればわかるだろう!」
そう言って彼は浴衣で隠れていた尾をだして振った。
「隠れていてそんなの見えなかったわよ。」
「そうか?あと、さん付けはしないでくれ。恥ずかしくて鳥肌がたちそうだ。」
私は訳がわからかった。
「そ、そうなの?私は花寿春。中学一年で、えーっと部活は華道。これぐらいでいいかな?」
「中学一年ということは年は13か。若いな。俺は86だ。周りのなかでは若いほうなんだがな。長い奴には1000年生きている奴がいるそうだ。あったことはないがな。」
「80!1000!妖って、どんだけ長生きなの…。」
鶴がそんな年寄りには見えない。歩いているうちに、一件の古い家に着いた。
「ここが俺の家だ。」
「え…。こんなおんぼろでみずぼらしい汚い家があなたの?」
「お前は結構ひどいことを言う奴なんだな。仕方がないだろ、代々伝わる家なんだ。もろくて掃除もできないんだ。」
「悪かったわね。でも掃除ができないのは違うわね。」
「ギクッ。」
「やっぱり。年月はたってるけど、なぜか結構しっかりしているのよね。私、こういうのちょっと詳しいのよ。鶴、あなた掃除が嫌いなんでしょう?」
「ギクギクッ。」
鶴は焦り始めた。
「あ、当たり前だろう。嫌だったら片付けるか、他を探せ。その代わり薬は作れん。」
あ、偉そうになった。しょうがない。
「わかったわ。片付けてあげる。その代わり掃除道具を用意してちょうだい。」
「おーいいのか!あ、いや、よろしい。では、ここに住ませてやる。掃除道具はあっちだ。」
だんだん鶴の性格がわかってきた。
「掃除道具あったのね。じゃあ鶴、手伝ってもらいましょうか。」
「え!俺は嫌だ。あ、あと…。」
「ん?」
「だから…その…、さ、さっきのことはだれにもいわないで、くれよ。」
鶴は口をとがらせていった。でも少しかわいらしい。
「ふふっ。分かったわ。掃除、少しは手伝ってよね。」
「あぁ。わ、わかった。」
鶴のほうは少しあかかった。
「まず物を片付けなくちゃね。鶴、そこら辺をやってくれる?」
そういいながら私は髪を結い上げた。鶴の家は意外と物が出ていなくて、片付けは楽だった。
「ふー。あっという間だったけど大変だったわね。次はホコリとりよ。拭き掃除を先にやってしまったら、ホコリがのるからね。」
「そうだな。今までそんなことを考えたことなんてなかったな。」
「ほーら、早く。サボんないで。」
「なぜか俺、花寿春の言いなりになってないか?」
…確かに…。
「はいはい。それはおいといて。はい!やりましょう!」
それから私たちは頑張り、せっせと片付けていった。あまりにもバタバタしていたため、近所の人達が見に来て、その中の太った鹿角おばさんが、
「どうしたんですか、急に掃除なんかして。あとなぜ人間の子が居るの?あまり長い間いるようだったら通報しますよ。今回は見逃しますから。」
と言っていた。私は意味が全く理解できなかった。なんだかんだで掃除は終わり、家はぴっかぴかになった。
「ふー、終了。鶴、お疲れ様。」
「あぁ。久しぶりに掃除をした。50年か、60年ぶりだな。」
「うげ。…でしょうね。よくここで暮らせたわね。」
「ははは…。俺はそういうのに強いんだ。」
「自慢じゃないわよ、そんなこと。汚い所が平気だなんて。」
掃除が終わったあと、私は電話をしにいった。幸運にも、ここは電波が繋がるようだった。かける相手はもちろん鈴鹿だ。
どうでしたか?
やっと2話目が、終わりました。更新ペースが、とーっても遅いため、1話を短くさせてもらいました。今回は鶴の正体か、わかりました。
次回は鈴鹿目線でやっていこうと思っています。
これからもよろしくお願いします。m(__)m