始まりのきっかけはパン
※これは異世界ものではありますが、恋愛ものではありませんm(__)m
第1話
「始まりのきっかけはパン」
「一緒にこい。」
私はそういわれ、手を引かれた。
「あー!ちょっと待ってよ。」
私は言われるがままに引っ張られた。
「どこに行くのよ。」
私はむすっとして言った。
「俺らの世界だ。」
俺らの世界。最初はアホらしいなと思ったけれど、段々それが現実だということが、わかってきた。
ずっと引っ張られていたのに急に彼が止まった。
「何で急に止まるわけ?」と、文句を言いたがったが、上を見上げるとすぐにわかったので言わなかった。
「これが…あなたの…、世界…。」
私はつい言ってしまった。なぜならと
ても言葉では言えないほど、綺麗で美しく、輝いているところだったからだ。
「あぁ。正確には、茜 雪岐郷だがな。皆は名前が長い為、茜郷や、雪岐郷という。」
「茜 雪岐郷…。いい名前ね。というか何で一緒にここに来ないといけないのよ!?」
「…来ないといけないからだ。」
「何でこうなったのよ…。」
それは昨日のことだった。
[[謎のパン]]
「花寿春ー、今日はお昼何にするのー?」
「えーっとー…。あそこのパン屋のパンかなー?」
私と話しているのは、同じ中学の鈴鹿だ。同じクラスで、とても仲がいい。
「あー。あそこのパン美味しいよねー。私だったらメロンパンね。」
「そう?私だったら、ソーセージパンよ。」
そういっているうちに、パン屋に着いた。カランコロンとドアのベルが、鳴った。
「いらっしゃいませー。」
「あ、これこれ!期間限定バナナメロンパン!」
鈴鹿のテンションはすごく高い。
「バナナメロンパン…。そんなに好きなの?名前からして、やばそうな味…。私はいつものソーセージパンでいいわ。…ん?」
いつものソーセージパンなのに、何か違和感があった。
「どうしたのよ、花寿春。なんか変なものでもあったかのような顔をして。」
「…!ううん。なんでもないよ。」
ふつうのパンがおかしいなんていったらおかしいと言われるにちがいないと思い、言わなかった。
そのときの私は、まさか本当におかしいとも知らずに…。
「いっただっきまーす!ほら、花寿春も食べなよ。」
「うん!ソーセージパンって美味しいのよ?」
「ははは…まだいってるの?私の好みじゃないわ。ソーセージがパンの中に入ってるのは…ちょっと…うん。無理かな。」
「そう?あむあむ、はふはふ、モグモグ…ん?う…め、めまいが…。」
「どうしたの?花寿春大丈夫?なんか薬ある?…ねっ…もう……ほら…起きて………。」
どんどん鈴鹿の声が遠くなっていく。
う…、気分が悪い。まぶたが重い…。起きなければ…!
「それでね…。そうなのよ…。あ!花寿春、目、覚ました?大丈夫?あのあと私が花寿春をおぶって保健室まで行ったのよー!花寿春が体重軽くってよかったよ!」
「ふふ…。ごめんね、鈴鹿。急に気分が悪くなって…。」
「そうだよ。あのパン食べた瞬間だったから、なにか入ってたんだと思ったよ!」
パン…。あ、そうだった。あのパンを食べたら気分が悪くなったのね。そういえばパンから変な感じがしてたけど、本当だったのかしら…。
「私、もう大丈夫だから、ありがとう。亅
「えっ!本当に?ムリしないでよ?外まで連れていってあげるよ。」
「うん。ありがとう。本当にごめんね。」
Γ全然いいよ。そういえば、花寿春って何で帰るの?亅
「ん?…そういえば…考えてない。でも、歩いて帰れるから、大丈夫。」
「もうー。花寿春ったら、頼りないんだからー。気をつけなよ。」
「OK-。バイバイ-。」
「じゃーねー。」
私は、外に出た。すると、おかしな世界が私には見えた。
Γ…ここ…どこ?!」
人間にも見えるけど、人間ではない気もする。何か、気が違う。よく見ると、頭に耳がついていたり、しっぽがついていたりしている。そして、服装のふいんきが違う。最近はなかなか着ることがない着物や浴衣、袴を着た人がいる。
「何を寝ぼけてるの?花寿春。いつもの学校の前だよ?やっぱり無理してない?おかしいよ?」
「!…そ、そうよね。ははは…私ったらどうかしたのかしら。」
私ったら、倒れたせいで、頭がおかしくなったんだわ。最初はそう思っていたが、それが現実だときずく。
「ドン!」
と、誰かのぶつかる。
「す、すいません!」
男はキッと私をにらむ。相手は浴衣を着た猫耳のある奴だった。
「どうしたのよ。急に謝っちゃって。誰もいないわよ。」
え、見えてない?でも本当にぶつかった。それは本当だ。神経までおかしくなったのか?
「おまえ、俺の事が見えているのか?」
声が低く、しかし優しそうな声だった。
「へ…?ど、どういう意味ですか?」
「そのまんまの意味だ。」
「ねえ。本当に大丈夫?誰としゃべってるの?熱あるんじゃない?」
鈴鹿が私に話しかけているが、私は鈴鹿の話より、男のいった内容の方に頭を使ったため、鈴鹿の声をほとんど聞いていなかった。
「明日、雪岐市の、狐都神社ににこい。」
「へ…?」
彼がいうのはたぶん隣町にある雪岐市の事だろうと私は思った。そのままかれは立ち去っていった。
「ねえ花寿春。行く?」
「ど、どこにー?」
「はあー。本当に大丈夫?病院だよ、びょーいん。」
「大丈夫大丈夫。今日ゆっくり休めば大丈夫だから。バイバイ。」
「ほんとー?バイバイ。」
そして私は家に向かった。歩いている間、私はずっと猫耳男の話していたことを考えていた。
[俺の事が見えているのか?]
多分、自分が見られているのに、びっくりしたのだろう。ということは、普通の人(?)には見えないと言うことだろう。しかし、なぜ私は普通の人(?)ではなくなったのだろうか。私は考えた。
私は突然ひらめいた。
「(あー。あのパンだ。)」
と。あのパンからはへんな気が漂っていた。しかも、一口食べた瞬間、気分が悪くなった。絶対そうだ。しかし、何が入っていたのだろうか。まだそれだとも決まっていないのに私は考えた。考えていると急にスマホが震えた。鈴鹿からだった。
「もしもしー。なにー?」
「「急にごめんねー。もう家についた?」」
「ううん。まだだけど。」
「「そっか。あのー。聞いてもいい?」」
「なに?」
「「さっき、花寿春さ、誰かとしゃべってたでしょ。」」
鈴鹿の声は小さく小声になっていた。
「!え…。それは、その…。」
「「!言いたくなかったらいいんだけどね…。その…、心配しちゃって。花寿春なら大丈夫よね!ははは…。こんなことで電話かけちゃってごめん!」」
「…。」
プープープーと、電話が切れた。きっと鈴鹿は心配してくれたのだろう。
またいつか鈴鹿にも話そうと、その時私は心に決めた。
次の日、私は学校が終わったあと、雪岐市へいった。
学校では私がお昼のあと早退したため、大きな話題となり、話しかけてくる子が多かった。しかし、昨日の電話もあり、鈴鹿とは、話しにくかった。本当はお礼が言いたかった。
行く途中、やはりたくさんの変わった人たちと出会った。なかには目が会う奴がいて、キッと睨む奴が多かった。彼らは何者なのだろうか。雪岐市は、この近くのなかでは大きな街だ。この街で有名なのは、猫耳男との待ち合わせ場所の狐都神社だ。狐都神社は、とても大きな神社で、狐と鹿が守っていると、伝えられている。主に役目をしているのは狐で、鹿はそのサポートをしているといわれている。
全国的にも、二種類の神使がいるのは珍しいだろう。狐都神社につくと、彼はすでにいた。
「来てくれたか。」
彼は言った。
「うん。色々と気になることがあって。」
これは本当だ。彼らは誰なのか、あのパンはなんだったのか。これからも謎は増えるだろう。
「よろしい。ではこっちへこい。」
彼はそういって、森のなかに連れていった。
「あのー、何をしようとしてるの?」
私は怪しいと思い、彼に言った。
「何をって、お前に説明するためだ。」
そう言って彼はどんどん奥へ進んでいく。木々の葉が私のほうをかすって行く。
「一緒にこい。」
私はそういわれ、手を引かれた。
「あー!ちょっと待ってよ。」
私は言われるがままに引っ張られた。
「どこに行くのよ。」
私はむすっとして言った。
「俺らの世界だ。」
そして今に至る。
どうでしたか?
自分は初心者で今回は初めての小説でしたが、大丈夫だったでしょうか?
今回は始まりの回ということで短くなりましたがこれからも続く予定です。
書くのはロースピードな更新かもしれませんがよろしくお願いします。m(__)m