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【コミカライズ配信中】康太の異世界ごはん  作者: 6k7g/中野在太
第六章 黄金色の秋

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物語のおわり、物語のはじまり

 それからはもう、あっという間に時間が過ぎていった。



 まずは、領主館に。



「ピスフィ嬢に、伝えておいてくれ。私の生涯において、あなたほどよき商人に出会ったことはない、とな。是非また、舌戦を交わしたいものだ」

「伝えておきます」

「ああ、そうだ。たいしたものではないが、親愛の証に、これを受け取ってほしい」

「ナイフ、ですか?」

「その……私が打ったものだ。鞘も、カピバラの皮を買い付けて、私がなめした。父さまのものとは、比ぶるべくもない出来ではあるがな。できることなら、使ってもらえると嬉しい」

「ありがとうございます。大事にします」



 それから、お世話になった、みんなのところに。



「白神さまとは、もう少しお話したかったですなあ」

「僕もですよ、幅木さん。エルフのひいおばあ様のお話、とても魅力的でした」

「いやはや。あれが本当のことだったと分かったのは、おおきな収穫でしたなあ」

「葛乃さんにも、お世話になりました。灰をいただいたときのこと、忘れません」

「当然のことをしただけです」

「あっ! 康太さん、いま葛乃さんがむずむずしましたよ! これですね、いつもみんなが言ってるのは!」

「していませんが?」

「ええー? してましたよ、ぜったいです! むずむずしてましたよ葛乃さん!」

「していませんが」

「あの、榛美さん、そろそろ行こうか。お世話になりました」

「どうぞ、よき道ばかりが、続きますように。私たちふたりで、この地から、祈っておりますよ」



「おめえ康太おめえ、さみしくなるじゃねえかよおめえ!」

「足高さん、また会いに来ますからね。湖葉さんも」

「うん、うんっ……! 絶対だよ!」

「捧芽くんもね」

「またお魚いっぱい採るからね!」

「ああおめえ、本当におめえ……いっちまうんだなあ! さみしいけどおめえ、でも、康太にとっちゃあいいことだもんなあ! おめえ、康太おめえ、おれはおめえ……湖葉と捧芽のこと、幸せにするからなおめえ! 安心してくれよおめえ!」

「もちろん信じてますよ、足高さん」



「讃歌さんには、本当にお世話になりました」

「いやいや、なんにもしてねえよ。それどころか、こっちは迷惑のかけどおしだ。祭りの酒、うまかったぜ。ありゃあ榛美ちゃんには出せねえ味だな」

「あー! 讃歌さんひどいですよ! わたしだっていっしょにつくったのに!」

「はっはっは、冗談だよ、分かるだろ?」

「むうう、わかってはいますけど!」

「いや、しかし、まったく。さみしくなっちまうなあ。なんだか白神様ってのは、もう、ずっと昔っからここにいたみてえな気がするよ」

「ありがとうございます。ああ、ごめんなさい……うまく言葉が出てこないな」

「おいおい、泣くこたあねえだろうがよ、白神様。ま、気が向いたら戻ってきて、またわけのわかんねえ料理を食わせてくれよ」

「はい……はい!」



「この松林とも、お別れですね」

「ああ、そうよ。ほんとうに、辛くて、かなしいことなのよ。でも樫葉は、康太のことをうらんだりはしねえ。康太に教えてもらったことを、わすれねえ。

 そうよ、だから樫葉は、心の内では、ずっと康太と一緒にいるのよ」

「僕も、樫葉さんのこと、絶対に忘れません」

「そうだと、うれしいのよ。樫葉が康太をわすれねえように、康太が樫葉をわすれねえのは、すごく、うれしいことなのよ。

 だから、康太、がんばれよ。どこに行っても、樫葉は、康太のことを忘れていねえから。だから、がんばれよ」

「樫葉さんは……どうして、僕のいちばんほしい言葉が分かるんですか?」

「それは、決まっているのよ。樫葉と康太が、友達だからよ。どれだけ離れても、時間がたっても、それだけは変わらねえからよ」



「持ッてけ」

「えっ?」

「いいから持ッていきやがれ」

「ええと……うわあ! すごい、なんだこれ、出刃に柳刃、牛刀に、これハモ切包丁ですか? え、これ、もらっちゃっていいんですか?」

「月句が、あれもみせろこれもみせろッて、うるさくてかなわねェからよォ、一通り打ッてみせたンだ。俺にゃァ使い道のねェもンだ。手前ェが持ってけ」

「鉄じいさん、こういうときは、すなおになるものですよ。ね、康太さん」

「議論の余地なくね」

「う、うるせェな! 表にも餞別を用意してあるから、勝手に持ッて、どこへでも失せやがれ!」

「また会いにきますからね! ちゃんと、おじいちゃんとお父さんをやらなきゃだめですよ、鉄じいさん!」

「うるせェってンだろォがよ! 持つもン持ッてさッさと行ッちまえ!」

「はいはい、それじゃあ、またね、鉄じいさん! あれ? 康太さん、まってください、康太さんがもう外に!」

「は、榛美さん! これロケットストーブだよこれ! すごい! ロケットストーブだこれ! ああ、これはもしかしてダッチオーブン! たいへんだ榛美さん、ダッチオーブンだこれ!」

「わあ、すごいですね! それで、ろけっとなんとかってなんなんですか?」

「あのね、ロケットストーブっていうのはね――」

「……………………あァ、ここもさみしくなるなァ」




 そして、旅立つその日の、朝はやく。



「ユウ? ユウ、おーい、ユウ、きましたよ!」

「悠太君、いないの?」


 川向うの廃屋、悠太君が一人で住んでいる家まで、やってきたのだけど。


「うーん、やっぱりとびらが開かないですよ。つっかえ棒をしてるみたいです」

「どうしたんだろうね。悠太君、いる? ちょっと渡したいものがあってさ」


 ごらんの通り、なしのつぶてだ。

 榛美さんと顔を見あわせ、首をかしげる。


「どうしちゃったんでしょうねえ。こないだから、うちにも顔を出さないし。おなかでもいたいのかな」

「そういうことじゃないと思うよ」


 会いたくない気持ちっていうのは、なんとなく分かる。

 どんな顔をしていいのか分からないし、お別れに直面するのも、辛い。

 だったら閉じこもっている内、気が付けばいなくなっていた方が、気楽なのかもしれない。


「でも、それはちょっと、さみしいかな」

「そうですよ! まったくもう、昔のユウみたいです!」


 ふたりしてぎゃあぎゃあ騒いでみるけど、やっぱり、なんの反応もない。


「ねえ、悠太君。もうすぐ、旅立ちの時間なんだ。その前に、一度でいいから会いたいよ」

「一度といわず、三回ぐらいは会っておきたいですね!」

「そうだね、最低三回だ」

「はい! 三回です!」

「うるせえ!」


 扉がひらいて、悠太君が飛び出してきた。


「家の前でくだらねえことわめいてんじゃねえよ。ばかになるかと思ったわ」

「ごめんね、ばかをさらしている自覚はあったんだけど、つい楽しくなっちゃって」

「ユウ、どうして出てこなかったんですか? つっかえ棒までして」


 悠太君は、仏頂面をして、そっぽを向いた。


「邪魔されたくなかったんだよ」

「じゃまって、なにかしてたんですか?」

「……別に」


 思春期っぽいやりかたで鼻を鳴らす悠太君。

 後ろ手に手を組んで、ものすごく、そっぽを向いている。

 これは、なにか隠しているときの悠太君だな。

 つっつけばつっつくほど、貝みたいに殻にこもる悠太君だな。

 それじゃあ、先にこっちの要件をすませちゃおうか。


「あのさ、悠太君に、受け取ってほしいものがあるんだ。ちょっとしたものなんだけどさ」

「はあ? オレに? なんでオマエがオレに?」

「給地でいちばんお世話になったのって、やっぱり、悠太君だと思うから。あとはなんていうか……これから、がんばってほしいから、だったり、なんか、まあ、いろいろ」

「なんだよそれ。まとめろよ」

「とにかく悠太君に、贈り物をしたいって思ったんだ。それじゃだめかな?」


 悠太君は、照れたときのやりかたで鼻をならした。


「それで? なにをくれるつもりなんだよ」

「これなんだけど」


 取り出したのは、葛糸でくくった紙束と、笹を削り出してつくったつけペン、そして、墨の入った壺。

 悠太君は、目をまんまるにした。


「まあ、本当にちょっとしたものだけど、あって困らないでしょ? だからさ」

「…………いらねえよ」


 にべもない拒絶の言葉を口にして、だまってしまう悠太君。


「オマエが持ってろよ、それ。笹から紙つくんの、すっげえめんどくせえだろ?」

「まあ、二度とやりたいとは思わないね」

「じゃあ、オレが持ってるより、オマエが持ってた方がいいだろ。オマエはあっちこっち行くんだから」

「いや、これは悠太君にあげたくてつくったんだよ。だから、悠太君に受け取ってもらいたいんだ」

「いらねえっつったろ?」


 なんで押し問答になってるんだろう。


「いいから受け取ってよ」

「いらねえよ」


 ものすごく哀しいし、ものすごくむきになっている。

 これを悠太君にあげたくて、それなりに苦労したのだ。

 素人が紙を作るというのは、それはそれは、つらいものだよ。


「あの……ユウ、さっきからなにをかくしてるんですか?」

「はあ? かくしてねえし」


 榛美さんが、悠太君のうしろに回りこんだ。


「うわっばかやめろって!」


 意外にもすばやいエルフっぽいうごきで、悠太君は、対応できない。


「あー! あーあーあーあー! そっかそっか、んふふ! そっかあ、そういうことですね、ユウ!」


 悠太君は、顔をまっかにして、目をきつく閉じた。

 そして榛美さんが、なぜか、おねえさんの顔になっている。


「んふふふふ! ユウ、そっかあ。でもそれは、ちゃんと自分で言わなきゃですよ!」

「分かってるよ!」


 どなった悠太君が、するどい拳を繰り出した。

 あまりにもするどすぎて、僕などおもわずガードをあげてしまったほどだ。


「あれえ?」


 悠太君がこっちに向かってつきだしたもの。

 それは、葛糸でくくった紙束と、笹を削り出したつけペンと、墨の壺。


「あれえ? つまり、その、あれえ?」


 しきりに、首をひねってしまう。

 僕がつくってきたものは、まだ渡していない。

 するとつまり、これはいったい?


「だっ、だから! オレも、その、オマエに、これ、役に立つと思って……! でも、オマエが作ったもののほうが、ちゃんとしてるから、だから! だからオマエが持ってろよ、それ! オレのつくったのは、オレが使うから!」


 あらぬ方向を向いて、目をきつく閉じたまま、悠太君が怒鳴る。


「ねえ、悠太君」

「なんだよ!」

「なみだ出てきちゃった」

「はあ? うわっ、すっげえ泣いてる」


 あんまりにもうれしすぎて、かまえる暇もなく、泣いてしまったよ。

 悠太君はしばらく、めんくらったり、呆れたりするのに忙しい様子だったけど。


「分かったよ。オマエが作ったのは、オレがもらう。オレが作ったのは、オマエがもらう。それでいいな?」


 あまりにも僕が泣いているので、とうとう根負けしてくれた。


「うん……うん……よかった……」

「泣くなって! 年上だろオマエ!」

「年上だからだよ」


 おっさんの涙腺のもろさを、なめてはいけないよ、少年。

 夜中にごはんがおいしいだけで泣けたりするんだよ、少年。


「オマエさ、こんな調子で大丈夫なのかよ? なんか心配になってきたわ」

「まわりがしっかりしてるからね」


 悠太君はためいきをついた。


「まあいいや。じゃあな、元気でやれよ」


 そう言って、家の中にひっこもうとする悠太君。

 最後まできっちり照れかくしを欠かさない、りっぱな思春期だ。

 やっぱりちょっと、いたずら心が沸いちゃうねえ。


「そうだ、そういえば悠太君さ、僕のこと、一度も名前で呼んでないよね」

「はあ? なんだよそれ。白神は白神だろ」

「ためしに一回、名前で呼んでみない?」


 悠太君は、あまりにも冷たい表情で、僕の頭からつまさきまでをじっくりと睨んだ。


「いやいやいや。一回だけだからさ」

「一回だけだな」

「そうそう。最後に一回だけ」


 鼻をならしたり、髪をいじったり、あらぬところを見つめたり、そわそわしたり、した挙句。


「………………康太」


 ものすごい小声で、悠太君が、言った。

 それから、はっと、なにかに気付いたような表情をした。

 僕を見る悠太君の、その瞳に、涙がにじむ。


「いなく、なるんだよな?」


 すがるような、弱りきった声だった。


「うん。旅に出るよ」

「行くなよ、康太」


 言ってから、悠太君は、動転したように口をぱくぱくさせた。


「ああ、ちがっ……なに言ってんだ? ばかだな、オレ、そうじゃなくてさ、そうじゃないから、気にすんなよ。オマエは、世界を見に行くんだもんな、分かってる。わかって、る、から」


 言葉もなく、悠太君は、声をあげて泣いた。


「ユウ、おいで」


 榛美さんが、そっと、悠太君を抱きよせる。


「言わないつもりだったんだ、ほんとに、そんなこと言うつもりじゃ……!」

「わたしたちのために、さみしいところを見せないでいてくれたんですもんね。わかってますよ。

 ありがとう。ユウのそういうところ、わたし、だいすきです」


 悠太君は、立っている力をなくしたみたいに、榛美さんにすがりついた。

 榛美さんが、そんな悠太君を、強く抱きしめてあげる。


「いやだよ、行くなよ! なんでだよ、いいだろ、ここにいてくれよ! さみしいよ、康太も榛美もいなくなったら、オレ、さみしくて……」


 心からの言葉を、悠太君は、僕たちにぶつけた。

 

「ごめんね、ユウ。でも、決めたんです」


 榛美さんが、あやすように、悠太君の背中をなでる。

 悠太君は、弱さをむきだしにして、泣きつづけた。


「オレ、おとなになるよ。ちゃんとおとなになるから、だから……もうこんなこと言わないから、最後にするから……康太も、榛美も、オレのこと、心配しなくていいように、おとなになるから……」


 悠太君が泣きやむまでには、ほんのわずかの時間しか、かからなかった。


 それから僕たちは、お別れの言葉をみじかく告げあった。



 川向うから続く、忘れられた交易路。

 二頭立てのカピバラ車のかたわら、ピスフィとミリシアさんが、僕たちを待っていた。


「別れは済ませたかの?」


 僕と榛美さんがうなずいて、それで、みんなして、カピバラ車に乗りこんだ。

 荷物でいっぱいのカピバラ車はせまくて、僕と榛美さんは、肩をくっつけあって座った。


「この地には、ピーダー家のものを向かわせるつもりじゃ。みどもらが戻ったとき、すぐさま商いをはじめられるようにな」

「その際には、ネイデル家も力となりましょう」


 声もなく涙する榛美さんの肩を、抱きよせる。

 寄りそった榛美さんが、僕の顔を見上げた。

 指先で涙をぬぐってやると、榛美さんは、くすぐったそうにして、少しだけわらった。


 言葉はなかった。

 どんな言葉も、足りなかった。


 胸がつぶれるような、さみしさがあった。

 後悔だって、もちろん、あった。


 それでも僕たちは、旅を選んだ。

 ふたりでいっしょにいることを選んだ。

 いっしょに、先へ行くことを選んだ。

 その決断が正しかったのかどうか、今はまだ、分からない。


 悠太君がつくってくれたノートに、手をふれる。

 これから先、僕はここに、どんなことを書くんだろう?

 そこにはどんな物語があるんだろう?


 いつか悠太君に、見せてあげたいな。

 僕の旅を、僕の物語を、一つたりともあまさず、書きとめて。

 きっと悠太君は、だめな時の顔をするだろうなあ。


「さあ、出発じゃ」


 カピバラ車が、ゆっくりと動き出す。

 車輪はがたごとと音を立て、僕たちは、踏鞴家給地から、遠ざかっていく。

 たくさんの記憶がつまった土地から、はなれていく。


 ひとつの物語がおわって。

 また一つの物語がはじまる。





















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 少女の最初の質問は、こうだった。


「ねえ、最新のドラクエっていくつ?」





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『康太の異世界ごはん』





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 それに対する僕の回答は、以下のとおりだ。


「うわ、それクロックスだよね、なつかしいなあ。ええと、ドラゴンクエストヒーローズ」


 まったくの異世界に放りだされた日本人がふたり、初対面でかわす会話としては、とても適切なものだと思う。





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第二部 中つ海編





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 ねこみみパーカー、プリーツがよれよれになったスカート、素足にクロックスの白神。


 楽土を捨てたエルフたち。


 鉄と生きるひとびと。


 大商人と、エルフの娘さん。


 うさ耳騎士と、僕。




 なんやかんやで、色々あって。





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第一章 時述ときのべの巫女





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「だいじょうぶですよ! なにしろ康太さんは――」


 最後にはおいしい物語が、幕をあける。





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第六章おしまい。

第二部中つ海編 第一章『時述べの巫女』でお会いしましょう。

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