8.初めてのクエスト・中編
レベルが上がった。
<レベルが2になりました>
ステータスを開く。
Lv 2
STR:10(1)→STR:13(1)
VIT:25(2)→VIT:29(2)
AGI:30(3)→AGI:35(3)
MIN:20(2)→MIN:23(2)
DEX:35(3)→DEX:40(3)
ステータスポイント:12
12ポイントのステータスポイントが振り分けられます。
どう振り分けよう?
STRが低すぎるのは、確かだ。
ポイントを全振りすると均一なステータスになるな。
AGIをあげればもう少し早く反応できるかな?
あーだこうだと頭を悩ませる。良し決めたぞ。
ユウヤ
ステータス
Lv 2
HP:276/197
MP:177/177
STR:15(1)
VIT:29(2)
AGI:40(3)
MIN:23(2)
DEX:45(3)
STRに2ポイント、AGI・DEXに5ポイントずつ振り分けた。
弓を使うのだから、速さと精度を重視して行こう。
こうして僕は、初めての成長が終わった。
HPが減っているのは、ノワールに噛まれたり、押し潰されたからだ…
MAPを観るとそれなりに街から離れたようだ。
後ろ振り返ると街は遠くに見える。
思えば遠くに来たものだと哀愁に浸りたくなった。
しかし、横から唸り声が聞こえ正面を向いた。前方からは少し大きな影が見えた。
<スロー・ウルフ>
ロザリーの様な姿をした、くすんだ毛並の狼が5頭ほど群れをなして近づいて来ている。
「(数が多い…しかも遠いな彼我の距離は150mほどだろうか、この弓で狙える距離は100mほど…)」
厳しいと直感が告げる。兵法に於いては数に勝る相手には奇襲が定石だが、ここは開けた場所で小細工がし辛い…
質では勝っている、それは確かだ。数が倍以上というのが問題だ。
いったん引くか?退却すること考える。しかしそれはすぐに棄却された。
きっと横に佇む、存在は許さないだろう。思考を巡らした。
そうだスキルだ。まだ一度も試したことはないが、試してみよう。
メニューを開き、スキルタブを開いた。
<スキル>
弓スキル/47
≪アーツ≫
ストロングアロー
矢を通常より強く放つことが出来る。
一つのアーツが使えるみたいだ。迷っている暇はない。着々と狼達は近づいて来ている。
矢を携え、弓を射る。
「【ストロングアロー】」
僕の意志を汲み取ったシステムがアーツを発動させ、システム音声が脳に響いた。
放たれた矢は、力強く風切声をあげ五頭の内の一匹の足を抉り切り裂いた。
仲間がやられた狼達は、雄叫びをあげながらこちらに向かってきた。
四方に散りながら向かってくる一匹に狙いを定め、二射目もアーツを使い放つ。
ステータスが上がったおかげで反応が早い、労せず二匹目も戦闘不能にし、僕は次の標的を探した。
標的はノワールに群がっていた。三方向から巧みに攻め立てる狼達は徐々にノワールの逃げ道を失くしていく。目粉しく動き回る四頭の内一匹に狙いを定め再び矢を放った。矢が突き刺さる。バーが三割ほど削れた。
注意が拡散し、一匹がこちらに向かって来る。
その一匹は、先ほどの攻撃で残り六割ほどになっている。
再度アーツを使い、脳を穿った。バーが消滅してポリゴンが散る。
残りの二匹は、どうなっただろう?
ノワールが一匹をすでに仕留め、二匹目を追い詰め止めを刺していた。
その後、強襲して戦闘不能に追い込まれていた。二頭の狼に止め刺しこの戦闘は終幕を迎えた。
「ふぅ~疲れた」
戦いの余韻が倦怠感を生んだ。少し休憩しよう。
イベントリから食料と回復薬を取り出し、ノワールにも同様に渡した。
スキルか便利だな。そう思いスキルタブを開いた。
<スキル>
弓/52
熟練度が50になりました。
強化オプションを選択してください。
50で強化オプションを得ることが出来るのか?
強化オプション一覧
ATK上昇
クリティカル上昇
アーツ冷却ダウン短縮
クイックチェンジ
4つのオプションが選択できる。それぞれの説明を見よう。
ATK上昇:威力に補正がかかる。
クリティカル上昇:クリティカルヒット率が上昇する。
アーツ冷却時間短縮:アーツの再使用時間が短縮する。
クイックチェンジ:イベントリ内の武器や弾とアイテムを素早く換装、使用できる。
以上だ。
ここは、迷わずクイックチェンジを選んだ。
初心者の矢筒には10本までしか装弾できない。
先ほどの様な戦闘が何度も続く様なら、弾切れが起きることは必然だ。
オプション選択が終わり、食料と回復薬を口に運んだ。
味気ない空腹感を満たすだけの食料を回復薬で流し込んだ。
視界の左上に浮かぶHPバーが二割ほど回復した。
横には不満そうな顔したノワールがいる。
こんな食事で満足できないと言いたげな表情だ。
何かないかとイベントリを開き、探した。
所持アイテム
・スロー・ラビットの毛皮×3
・スロー・ラビットの肉×2
・スロー・イノシシの毛皮×4
・スロー・イノシシの肉×1
・スロー・ウルフの毛皮×3
の以上が新しく入手した。アイテムだ。
スロー・イノシシの肉をオブジェクトして実体化させた。
マンガ肉が出てきた。一本の長い骨に肉の塊が付いている。
少し笑いが込み上げてくる。しかし美味しそうだ。
生のままでも食べるかなとノワールに差し出した。
少し匂いを嗅ぎ、齧り付いた。そしてあっという間に食べきった。
休憩が終わり。再び進み始める。
道中には、何度か狼が2,3頭単位で現れたが苦も無く倒して、草原を
もう少しで越えられそうな所までには、レベルアップの音が二つ響いた。
<レベルが3になりました>
<レベルが2になりました>
一つは僕の。もう一つはノワールのだ。
僕のステースはすぐさま振り終わり。ノワールのステータスを見た。
ノワール
Lv 2
HP:321/284
MP:228/228
STR:40→STR:45
VIT:35→VIT:40
AGI:47→AGI:54
MIN:25→MIN:27
DEX:18→DEX:19
ステータス高いです。
一対一したら確実に勝てないです…
そんなことを思い、僕らの成長は終わった。
ユウヤ
Lv 3
HP:321/287
MP:200/147
STR:13(1)→STR:16(1)
VIT:29(2)→VIT:34(2)
AGI:40(3)→AGI:48(3)
MIN:23(2)→MIN:27(2)
DEX:45(3)→DEX:54(3)
VIT、MINに2ポイント、AGI、DEXに4ポイントずつ振り分けをした。