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オーディール テイム・オンライン  作者: 結城 縫熊
1.冒険の始まり…
15/44

15.一連比翼への歩み

 


 僕は回復薬と食料を口にして、とりあえずステータスを開いた。


 ユウヤ

Lv 11

HP:702/567    

MP:451/387    

STR:52         

VIT:65         

AGI:93        

MIN:65

DEX:99

〈アーツ〉      

ストロング・アロー     

三点バースト・アロー    

レイン・アロー       

〈リンク・アーツ〉    

虎王比翼こおうひよく

《所持スキル》

弓/224

索敵/148

体術/106

木工/37

《強化オプション》

クイックチェンジ

マジック・アロー作成

エンチャント・アロー

〈補助スキル〉

サーチ


 ノワール

Lv 10

HP:709/700

MP:485/453

STR:102

VIT:95

AGI:108

MIN:48

DEX:35

≪所持スキル≫

疾走


 HPは二割回復し、八割まで回復した。

さてどうやって倒そう。狂ったかの様な〈ユニコーン〉の動きは、単調で弓を射て当てることは容易い。しかしそれは大地に足を踏みしめている場合だ。

さらに今はノワールの背に乗っている状態で、姿勢も不安定なため狙いもうまく定めることが出来ない。


 しかし何もしないのは、埒が明かないため一つアーツを放った。

「【レイン・アロー】」

意志に反映してシステム音が響く。放たれた一本の矢は放物線上の半ばで散った。散った矢の残骸は、幾数の小さな粒となり〈ユニコーン〉に降り注いだ。


 その成果はやはりというか、焼け石に水と言ったところだろう。

全くと言って良いほど効いていない。しかし効果がまるでない無いわけでは無い。つまりこのままノワールに乗っかったまま〈レイン・アロー〉を射続ければ倒せることを意味する。俗にいう引き撃ちという戦術だ。

しかしそれは問屋とんやが下ろさないというか、なんというか理由はこれだ。

 ノワールがレベル10で得た、〈疾走スキル〉の情報を観た。

〈疾走〉使用中

通常より速く走れる。使用中はMPを消費する。


 現在ノワールは僕を乗せているためMAXスピードで走れない。

そのためノワールは〈疾走〉でスピードの底上げをしている。

〈疾走〉によりMPが切れる時、僕らは追い込まれることとなる。

つまり短期決戦でこの戦いを終えなければならないということだ。


 僕は弓を教わった人の言葉を思い出した。騎射。

動物の背に乗り、弓を射るスポーツがあったということを…

〈ユニコーン〉とノワールのスピードは、ほぼ同じくらいで距離は付かず離れず保っている。これはきっと騎射ができるはずだ。

僕は何の根拠もなくそう確信した。覚悟を決め、弓をいつでも射る準備をした。

「ノワール…〈ユニコーン〉に並走して」


 ここからは、一蓮托生。ノワールならできる。僕を信じてやってくれる、そう思って出た言葉だった。ノワールから返答は無かった。代わりに急制動が掛かった。

 不言実行ふげんじっこうの如く、突然の行動だった。けど僕は、何となくわかっていた。いきなりの急制動にも関わらず、姿勢は揺るがなかった。

一瞬の静止の後、再び加速が身体を襲った。そんな一瞬の挙動に、僕の姿勢は微動さえもしなかった。人馬一体いや、人獅一体じんしいったいだったのだろう。


 視界の先には、並行する〈ユニコーン〉。巡らせたチャンスにありったけアーツを叩きこんだ。

「【ストロング・アロー】、【三点バースト・アロー】、【レイン・アロー】」

意志に反映したシステム音が響く。同時にアーツは複合された。

放った矢は三本、それに〈三点バースト・アロー〉によって実体の一矢に付き二本の魔力で形成された矢が付属する。そして次は三本の実矢じっしと六本の魔法矢に〈ストロング・アロー〉の効果が付与された。計九本の矢が放たれ、散った〈レイン・アロー〉の効果だ。現れたのは、幾数の大粒。そうまるで流星ミーティアとなって〈ユニコーン〉にあられの如く降り注ぎ。〈ユニコーン〉を吹き飛ばした。

 

 倒したか…消費したMPは300程、放った一撃だった。

これで倒せたなら、僥倖ぎょうこうだと思う。

複合アーツの余波と〈ユニコーン〉が吹き飛ばされた衝撃で土煙が舞っていた。

戦場にはそぐわない緩やか風が吹き、土煙を晴らした。


 晴れた場所には、やはりと言った所か…白き幻獣が起き上がろうとしていた。

HPバーをイエローゾーンまで減らし、起き上がった幻獣は先程までの狂乱した様子は無かった。


 そう変貌を果たした時の様に、壮大で美しく、雄雄しい立ち姿だった。

今ならきっと、これ以上傷つけあう事無く幕引きが行える。

けど…そんな選択肢はきっと存在しない。

 それに同意するかのように〈ユニコーン〉は、前掻きを始めた。

雌雄を決する。その道しか無い。僕らは睨み合った。


 一時の間が時を止め、互いの時間を支配した。そして…動き出す。

はやい…先ほどまでの突進は、遊びだったと思えるほどだ。

構えた弓につい力が籠る。

最高の一撃で迎え撃たなければ…胸中に思いが溢れた。

彼我の距離がドンドン縮まり、矢を放った。

「【虎王連翼こおうれんよく】」

リンク・アーツが発動した。

放たれた矢は、漆黒の光彩を纏い。怒号の風切り声を上げ、はしった。


 勢いのまま交差する二つの黒と白。

消滅する黒、失速する白。やがて白は失速しながら、僕らの横を過ぎ去った。

「ドスッ」

白が過ぎ去った後、倒れる様な音がした。

振り向いた。その先には、倒れた〈ユニコーン〉がいた。




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