10.初めてのクエスト・完了
「疲れたー」
地べたに大の字に寝ころび、だらしなく出てきたのはこの一声だ。
横には同じように一息つき、地面に伏せているノワールの姿だ。
寝転びながら、メニューを開き操作する。
〈レベルが4になりました〉〈レベルが3になりました〉
〈レベルが5になりました〉〈レベルが4になりました〉
と立て続けにシステム音が鳴った。
しかし今気になっているのは、これらではない。
〈リンク・アーツが解放されました〉
これだ!タブを操作し、詳しい説明画面を開く。
〈リンク・アーツ〉
絆で繋がり逢い互いを認め合う者達が、紡いで繰り出す連携技。
その威力は、ただのアーツとは比べモノにならない。
【虎王比翼】
リンク・アーツの一つ。
その技は、虎に翼、偽虎添翼の如し剛の技。
支えあう関係には、ほど遠いが虎に力を添えられることを
認められし者が、比翼一蓮托生になることを決意した覚悟の一撃。
「(うん、頑張るよ)」
比翼になる。これも一つの目標に加えた。
横目に相棒を眺め、しばしの休憩した。
休憩を終え、HPとMPバーがある程度回復したこと確かめ。
<索敵スキル>をフル活用し峡谷の頂上を下った。
道中に<リザードマン>、<ハーピィ>の群れに感知したが、戦闘を
こなすことなく峡谷の入口まで順調に足を運んだ。
草原が眼前広がった。安堵した。
ここからは、南に一直線に行けばエピオンに戻れる。
そしてギルドに報告書を提出すればクエスト完了だ。
冒険の始まりには分相応な旅路だった。未熟さが目立ち、危うく冒険だった。
けど…素晴らしい旅だった。幾度の危険を乗り越え、無事達成できそうだ。
満足感で身体が充実した。
目標も目的地も定まり、これからの道先が垣間見え様だった。
そんな思いに浸りながら草原を闊歩した。
〈索敵スキル〉に反応があった。
一つだ。反応した方向を見る。しかしそこにあるのは、一本の木だった。
<索敵スキル>は相変わらず木に反応し続ける。不審に思い木に射った。
木に矢が突き刺さる。木が動き出した。
〈トレント〉
木に化けた魔物だ。
今の攻撃でHPバーが二割ほど減少していた。
攻撃されたため反応して、こちらに向かって動いて
来た<トレント>に続けざまに矢を射た。
倒した。ポリゴンとなって砕け散る。
その後も同様の反応があった、木の魔物を倒し続けて街についた。
街に着くころには、夜だった。
ギルドにクエストの報告をしに行くと…
「【本日の営業は終了しました】」
無情な看板が扉に掲げられていた。
「マジかー!?」
つい街中で叫んで仕舞っていた。宛もなく街中を散策していると、
<INN>の文字が見えた。あれはゲームでよくある宿屋のマークだ。
「すいません~」
宿屋に入って、挨拶をして誰が出てきてくれるのを待った。
「はい~いらっしゃいませ、こんばんは」
受付嬢と思われる女性が出てきた。
「夜分にすいませんここは宿屋ですか?」
「そうですよ~一泊500Gで朝食付きですよ。いかがいたしますか?」
「では、一晩よろしくお願いします」
「部屋に案内しますね~こちらについて来て下さい」
案内された部屋は、簡素な作りのベットが二つあった。
ノワールには、小さいかなと思ったが、すでに小型化していて問題なさそうだ。
ベットに寝転がって、今日を一日の事を振り返るために、メニューを開いた。
僕らのレベルは2ずつ上がっていたな。まずは、ぼくから…
ユウヤ
Lv 5
HP: 396/160
MP: 257/47
STR:16(1)→STR:19(1)
VIT:34(2)→VIT:40(2)
AGI:48(3)→AGI:56(3)
MIN:27(2)→MIN:32(2)
DEX:54(3)→DEX:62(3)
ステータスポイント:24
STRに少しは振ろう、それ以外にも均等に行こう。
ユウヤ
Lv 5
HP: 420/193
MP: 275/60
STR:25(1)
VIT:44(2)
AGI:61(3)
MIN:36(2)
DEX:67(3)
≪所持スキル≫
弓/94
索敵/40
体術/29
≪所持アーツ≫
ストロングアロー
≪リンク・アーツ≫
虎王比翼
ノワール
Lv 4
HP:432/184
MP:301/56
STR:45→STR:59
VIT:40→VIT:53
AGI:54→AGI:63
MIN:27→MIN:35
DEX:19→DEX:23
初めてのクエストを経て、成長を果たした。
イベントリには…
≪所持アイテム≫
・スロー・ラビットの毛皮×3
・スロー・ラビットの肉×2
・スロー・イノシシの毛皮×4
・スロー・ウルフの毛皮×3
・スロー・バードの羽×3
・スロー・バードの肉×2
・スロー・イーグルの鉤爪×4
・スロー・イーグルの羽毛×3
・鳥獣人の羽×4
・リザードマンの槍×1
・リザードマンの鱗皮×2
・リザードマンの尾肉
・樹人の若木×6
以上が手に入れた数々のアイテムだった。粗方の把握は終わった。
今日はゆっくり身体を休めよう。眠りについた。
◇◇◇◆◆◆◇◇◇
朝が来た。すぐさま朝食を取りギルドに向かった。
「おはようございます~」
「「「おはようございます~」」」
朝一番に来てしまったようで、たくさんのNPCから返事が返ってきた。
「クエスト完了の報告書です」
IDと報告書を提出した。一瞥され、報告書にハンコが押された。
<クエストを達成しました>
とシステムメッセージが流れた。
こうして僕らの初めてのクエストが終わった。




