7.現実とクロスオーバー
画面に映る文字を満足げに眺める男。
彼は伸びをすると、体をほぐすような動きをする。
「いやー、やっぱ難しいね。この話を書くのは」
なんたって自分の全く関係ない話のコラボだし、と一人で小さく笑う。
「にしても一応つながりは持てたからね、続きかけって言われたら嫌だなー」
この二人絶対長く続かない。とよくわからない確信を持つ男。
「キヨは怒ったら面倒な性格だし、アケチはな」
まず王子って時点で。と苦い顔をする。
「実際キヨは本編だとこんなアケチに恋しちゃっているしなー。性格が本編と違うって言われたらどうするか」
それに対する反論を考えるために悩み始める男。
はたから見るとそれはとても悩んでいるようには見えない。なぜなら彼は笑っているからだ。
困った顔さえまるで道化のようにも見える。
「これは彼女があの本に出会う前だからです。っていえば何とかなるかなー」
なんてそれなりの解決策で満足する男だった。
「他にはアケチがなんでキヨを知ったのか、それはこっちも本でしょ」
当たり前な事を、とばかりにいう男。一人で問答をしている姿は危ない男のようにも見える。
「他には、もういっか」
最初に対策するなんて自分らしくないし。来たときにどうにかすればいいでしょ。幸いなことに彼女も彼も自分の中にいるわけだし。と考えることを放棄した男。
男は「それじゃあ、おしまい!」と、声をあげるとパソコンの電源を落とす。
少しだけ眠そうに目をこすると寝室へと向かっていった。
クロスオーバー:複数の独立したキャラクター同士で一時的に共通のストーリーを歩ませること。
最後、すこしずるかったでしょうか。
誤字脱字等ありましたら報告を頂きたいです。
最後までご覧いただきありがとうございます。




