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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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異世界恋愛系 作品いろいろ

あれが女神の力の影響だったのかは結局分からないままですが……取り敢えず、これからも、未来を見据えて頑張ります!

作者: 四季
掲載日:2026/10/02

 女神パスパルテニヌンの力を宿している聖女、と、幼き日に認定された私リアは、この国の王子であるライス・ラボタンと婚約していた。


 しかしライスは私という存在に一切興味がないようで。

 常に私ではない女性を可愛がり愛していた。


 そして私には心ない言葉をかけてくるばかり――もう何度言われただろう、君には女神の力以外何の価値もない、とか、僕は一生君を愛さないからな、とか。


 ――そして、それはある夏の日のこと。


 一人の金髪女性を愛おしそうに抱き寄せながら私の前に現れたライスは。


「リア、君は聖女だと言うが特別な力なんて見せたことがないよな」


 いきなりそんなことを言ってくる。


「それは……私も知らないのです、女神パスパルテニヌンの力がどういうものなのか」

「ということは、だ。君は聖女ではない、聖女だという証明は君にはできない、ということだな? ならば君には僕の隣にいる権利はない」


 ライスはたびたび隣の女性と見つめ合い、深い愛を絵に描いたかのような視線の絡め方をしていた。


「よって、婚約は破棄とする!」


 そうしてやがて告げられたのは、そんな言葉だった。


「え……」

「聖女だと証明もできない女性と結婚するつもりはない」

「この婚約は国が決めたものです。勝手に破棄することはできません。それに、私が聖女であることは、国が認定しています」

「だが何もできないのだろう? あってないようなそんな力は何の価値もない。君には価値などない」


 それから彼はニヤリと黒い笑みを浮かべる。


「僕には彼女がいる。そう、この女性、マーガレッタが」

「そんな勝手な……」

「だから君などもう不要なんだ。僕はマーガレッタと生きていく! 彼女はこの通りとても美しい、そして何より、僕に忠実に尽くしてくれる。こんなにも価値のある女性を差し置いて君と結婚するなんて、到底無理な話だよ!」


 どうやら今のライスはマーガレッタしか見えていないようだ。


「ではな、リア、君とはこれでお別れだ」

「本気で言っているのですね……」

「当たり前だろう。冗談でこんなことを言うはずがない。じゃあな、永遠に……さよなら」


 こうして私たちの婚約は破棄となったのだが――その日の晩、国王夫妻が多額の税金を私的利用していることが発覚し、国内は大騒ぎに――そしてその数日後、激怒した民らが王城に侵入して暴れ、そこに住んでいたラボタン家の者たちの半数以上が命を落とす大事件となった。


 婚約破棄された私は既に王城を出ていたので民らに襲われることはなかったが、王子であるライスはもちろんその妻候補となっていたマーガレッタもその事件に巻き込まれたらしく命を落としてしまったようだ。


 突然王家が倒れたことで、国は方向転換しなくてはならないこととなる。


 だが悪いことばかりではなかった。

 これまでは基本的に王族がすべてを決めすべてを操作するといったような国だったのだが、民らの意見が重視される社会へと変化し始めたのだ。

 一分一秒も目が離せない、状況が変化し続ける中で、社会には一時的に動揺が広がってはいたが、それもやがて徐々に落ち着く方向へ向かい――少しずつではあるが国は良い方向へと進み始めている。


 ――それから数年。


 私は、新政府の重要な立場にある男性と結ばれ、今は幸せに暮らしている。


 若くして政治の舞台に上がった彼を支えること。

 それが今の私の役割だ。

 といっても、私は平凡な女であって、特別な知識を持っているわけではないし、政治という面で協力することはできないのだけれど……夫となった彼の心身のケアなど、私にでもできることはあるから、日々それに徹している。


 婚約破棄した途端王家が終わった。それはもしかしたら女神パスパルテニヌンの力の影響だったのかもしれない、と、密かに思っている。根拠はないので実際に口にしたことはないけれど。ただ、王家のあの崩れ方は明らかに不自然だった。それゆえ、きっと無関係ではなかったのだろうな、と想像はできる。


 だが、なんにしても、過ぎたことは過ぎたことなのでどうでもいい。


 見つめるべきは未来だ。


 この国の歩む先に多くの希望があることを願う。



◆終わり◆

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