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ゆとりろ!  作者: 雲丹
15/31

第15話 行動的少女真水、後

ふと見てみたら、この小説をお気に入り登録してくださっている方が数人おられることに気づきました。

お気に入り登録してくださっている方々、本当にありがとうございます。これからも頑張りますので、どうか小説ともども、温かく見守っていただけたら幸せです。

それでは本編をどうぞ。

 どうも、引き続き真水です。

 時刻は12時を過ぎまして、さっきお昼ご飯を食べ終わったとこです。あ、もちろんきぃちゃんちで。

 お腹いっぱいになったあたしとさつきお姉ちゃんは横になって休み、きぃちゃんは洗い物をしてます。


「あ、そーだ。お昼も過ぎたし、ひみこちゃん呼ぼうよ」


 と、洗い物を終えたきぃちゃんがこっちに来ながら言いました。


「ひみこ……? あ、あのちっちゃい黒髪の子か。あの子可愛いよな」


 ん?


「だよねー。しゃべり方はちょっと独特だけどね」


 なんだと?


「ちょっとちょっと、待ってよ二人とも」


「へ? どしたの?」


「今、誰が可愛いって?」


「いや、だからひみこちゃんが」


「あたしのが可愛いだろうが!」


「……は?」


 口をぽかーんと開けているきぃちゃんとすごい怪訝そうな顔で見てくるお姉ちゃん。まったくわかってないなぁ。


「だからさ、あたしのがひぃちゃんより可愛いでしょ?」


「何をわけのわからんことを言ってんだお前は」


「わかるよ! わかりすぎて逆にわかんないぐらいだよ!」


「じゃあわかんないんじゃん」


「そーだよわかんないんだよ」


「なんだこいつ腹立つな……」


 なんかわかんないけどお姉ちゃんはイライラしてるみたいだね。きぃちゃんは呆れた表情をしてる。呆れたきぃちゃんも可愛いなぁもう!


「どうしてきぃちゃんはそんなに可愛」


「ぴんぽーんじゃ!」


 ……邪魔された。あたしの落とし文句が。せっかくきぃちゃんのハートを射止めるとこだったのに。しかも、この声は……


「あ、ひみこちゃん! ちょうど良かった、呼ぼうと思ってたとこだったんだよ」


「ほう、わらわに何か用かの?」


「や、別に用はないんだけど、ただ遊びたいなって思って。ひみこちゃんはどうしたの?」


「わらわも特に用はない!」


 力強いな。

 ってかひぃちゃん来たし、ちょうどいいや!


「よし、それでは皆の衆、注目ナリ!」


「……まみちゃん、何よその言葉づかい」


「や、別に何も?」


「……ああ、そう」


 なんかわかんないけど愛しのきぃちゃんもイライラしてるみたいだね。みんなカルシウム足りてないのかな?


「ま、なんでもいーから注目。えー、これでは、それより『可愛い子、この指とぉまれっ』選手権を開始します!」


「……ツッコミどころが多すぎるのでスルーします」


「えー!? つっこんでよ! それじゃきぃちゃんのいる意味ないじゃんか!」


「あー、それはわかる」


「お姉ちゃんまでなんでだよ!」


「ほう、おぬしはつっこむためにおるのか。特攻隊とやらだな」


「ちがうよ!」


 うぬぬ……ひぃちゃん、なかなかのボケだね。あたしも負けてらんない。


「あるいは類人猿だね」


「意味わからんわ!」


「ほう、おぬしは類人猿なのか……」


「ちがうよ!? ひみこちゃんちがうよ?」


「で、可愛い子がどうのって何なんだ?」


「は? 何の話?」


「いや、お前が言ったんだろうが」


「あ、そうだった」


 完璧に忘れてたよ。


「それじゃ、可愛い子……がどうのこうの選手権を開始します!」


「ぐだぐだだなオイ」


「まぁいいじゃん! えー、ルールは簡単。自分が最も可愛いと思う子を投票して、一番多く票をもらった人は何でも一つ願いを叶えれる!」


 どーだ、とビシッと指差してみたけど、ひぃちゃん以外の反応は悪いね。


「なるほどな。ではやってみようではないか」


「ええ!? ひみこちゃんやりたいの?」


「うむ、面白そうじゃ」


「まぁひみこちゃんがそう言うなら……」


「ふふふ、じゃあ始めるよ? まずこの紙に誰が一番可愛いか書いてー」


 紙を渡すとみんなしぶしぶ書き出した。あ、ひぃちゃんはもちろんノリノリで。

 1分も経たないうちにみんな書き終えたみたいだね。


「はい、じゃあこの箱に入れてー」


「はいよ」


「はい」


「ほれ」


「ん、全員入れたね。じゃあ集計するよー」


 ふむふむ……こ、これは!


「全員一致で真水ちゃんがゆうしょぐふっ」


「だまれ」


 さつきお姉ちゃん……グーはひどいよ。


「えー、どれどれ……こ、これは!」


「何よお姉ちゃんまで……あ、あれ!?」


「なんじゃ、何事じゃ」


「いや、コレほら……ひみこちゃんが2票でまみちゃんが2票じゃん!」


「んなわけねーだろ! おい、きぃ、お前誰に入れた?」


「ひみこちゃんだよ」


「ひみこちゃんは?」


「わらわはまみに入れたぞ」


「え、じゃあお姉ちゃん、まみちゃんに入れたわけ!?」


「んなわけねーだろ! あたしはちゃんとひみこちゃんに」


「ふっふっふっふっふっ」


「……何?」


 ゲンコツの痛みが引いてきたとこで不敵に笑ってみせると、みんなが変なものを見る目であたしを見てきた。まぁいつも通りそんなことは気にしない気にしない。


「なんと、なんとなんと! まみちゃんの2票目はまみちゃんが入れたのでした!」


「はぁ!?」


「自分で入れんなよ」


「逆転の発想じゃな」


「いや逆転ってか反則でしょ!?」


「いやいや、誰も自分に入れちゃダメとは言ってないじゃん!」


「でもこーゆーのは自分に入れちゃダメって決まってるでしょ!」


「そんな常識に捕らわれてるからいつまで経ってもきぃちゃんはペチャパイなんだよー!」


「何をー!? あんただって全然ないじゃん!」


「あるよー!」


「嘘つけ!」


「……ひみこちゃん、あっち行こっか」


「うむ」


「で、ひみこちゃんはどんな願いを叶えたいの?」


「そうじゃな……まぁ、一番はやっぱり戻りたいのー」


「……戻る?」


「それが無理なら……そうじゃな、何か髪飾りが欲しいかのぉ」


「ふーん……髪飾り、か」


「きぃちゃん! もう、そんなこと言ってたらチューしちゃうよ!」


「なんでだよ!」


「唇を重ねあえば……いいじゃない!」


「やだよ!」


「……うるせーなー」


「きぃちゃん!」


「うわぁぁぁ!」




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