果実の騎士団、西へ!
堺の港に、織田家の重臣たちが集結した。本能寺を生き延びた信長様は、今日も今日とて真っ赤なイチゴの着ぐるみを纏い、威厳(?)を放っている。その傍らで、私は一人の男を前に立たせた。元自衛官の一等陸佐、この乱世で私の背中を預かる最強のサバイバリストだ。
「一佐殿、これまでの功績を称えて、殿から特別な『褒章』があるよ。」
私が不思議ポケットから取り出したのは、茶褐色の毛羽立った、丸っこいキウイの着ぐるみだ。一等陸佐はそれを一瞥し、鋭い眼光を崩さずに問うた。
「……これは、最新の森林迷彩の一種か?」
「……まあ、そんなもんだよ。これを着れば、あんたは今日から織田家公認の守護果実、名は『キウイ』だ。」
信長様が満足げに頷き、腰の刀の鞘でキウイの肩を叩いた。
「よきかな! キウイよ、貴様はその毛羽立った衣を纏い、俺のイチゴ、百舌鳥のバナナと共に、世界の果てまで不浄を払い、ビタミンを振りまくのだ!」
「……了解。これより私はキウイとして、殿の『果実の盾』となりましょう。」
大真面目に敬礼するキウイ。そのシュールな光景に、レモン姿のフロイスが「おお、新たな使徒が……!」と涙を流している。こうして、赤・黄・茶・黄緑という、戦国時代とは思えない色彩の『フルーツ騎士団』が結成された。
私たちは、堺の商人が総力を挙げて建造した魔改造巨大船『クイーン・モズ号』に乗り込んだ。船体は私の知識でコンクリート補強され、甲板には量産型コルトマムシの砲台が並ぶ。
「おねえちゃん! 雷蔵がスイカの被り物を海に落としそうだよ!」
茶々丸がリンゴの帽子を抑えながら叫ぶ。弟子たちはブドウやメロンの被り物でテキパキと帆を上げ、船はゆっくりと港を離れた。
「野郎ども、進路は西だ! 九州の島津をパイナップル(CEO)ごとマヨネーズで和えてやるよ!」
私はバナナの着ぐるみの隙間からコルトマムシを抜き、空に向けて一発放った。
中身はおじさんの私の、戦国時代の枠を超えた「世界漫遊」という名の海外出張。まずは九州最南端、チェストの国・薩摩へと、果実たちの艦隊が突き進む。




