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第67話 賞賛

 スピーチを終え、席に戻るとパーティが始まった。様々な料理や酒が次々と運ばれてきて会場は大盛り上がりだった。


 俺がいるテーブルには続々とパーティの参加者たちが訪れてきた。


「アヤトさん! まじで感動しました!」


「あの、大ファンです!! 握手してもらってもいいですか?」


「どうなってるんですか! あなたの強さは。キラータイガーを3頭も討伐するなんて!! それも、忠誠も受けていない武器で! 凄すぎますよ! サインください!」


 誰もが俺の事を褒めてくれた。中には弟子にしてくれなんて言ってきた青年もいて戸惑ってしまったが、俺は素直に嬉しかった。


 さらに、以前、中級ダンジョンで助けた冒険者たちも次々に会いに来てくれ、みな称賛の言葉をかけてくれた。


 あまり褒められることに慣れていない俺は少し恥ずかしかったが、とても幸せな時間だった。


 なによりルーナさんが隣で笑ってくれているのがたまらなく嬉しかった。


(頑張って良かったな……)


 ソフィアさんと楽しそうに話しているルーナさんを見ていると少しだけ自分が誇らしかった。


 やがて、尋ねてくる人たちも少なくなったためようやく俺たちは料理を口にした。どの料理もとてもレベルが高かったが、俺はロブスターの照り焼きが1番お気に入りだった。


 食事が落ち着き、酒を飲みながらルーナさんやソフィアさんたちと話していると、四人の冒険者が、席を尋ねてきた。


 以前、ダンジョンの中で助けた【美食のレガーロ】の四人だった。


「無茶しやがって!! 心配したぞ!」

「全くだ!!」

「だが凄かったな!! 本当によくやった! お前はすげぇ奴だ!!」

「ああ! まじで偉いよ! お前は!」

リーダーのロイドさんを中心に、口々にみんな褒めてくれる。


 するとルーナさんがロイドさんたちを、見て驚いたように大きな声を上げた。


「あ、この人たち! アヤトさん、この方たちが昨日エリクサーを使ってくれた人たちですよ! ソフィアやエマ、アヤトさんの分で3つも! 私もハイポーションを頂いちゃました! アヤトさんを部屋に運んだ後、お礼を言おうと探したんですけどもう見つからなかったんです」


「そうだったんですか……。皆さんがエリクサーを……。ありがとうございました! 助かりました!」

 

 ルーナさんの話を聞き、俺は胸が熱くなる。あの雪の晩に、一度は絶望させられた人達ではあったが、今は心から信頼できる。感謝の気持ちで胸がジーンとしてしまう。


「良いってことよ! お前だって俺たちを助けてくれたじゃねぇか!」

「そうだよ! 気にするな!」


「みなさん……」


 俺は感動でいっぱいになるが、すぐにアイテムボックスから財布を取り出し、エリクサー分のお金を返そうとする。



「エリクサー分、払いますよ。一本百万ですよね! 3本だから300万ギルですよね」

俺は、アイテムボックスを開きながら尋ねる。


 すろとロイドさんが叫んだ。

「馬鹿野郎! お前から金なんてもらうわけないだろ! あの時助けてもらったんだから!」


「でも……」


「それにな、俺たちは、あの日お前を蔑ろにしちまったことをずっと後悔してんだ!! 少しぐらい恩返しさせてくれ!」


「みなさん……」


 ロイドさんたちの気持ちが伝わってきて俺は胸がいっぱいになってしまう。


「これだけじゃまだまだ足りねえよ! 今度うちの宿に来てくれ! とっておきの食事でもてなすからよ! 」


「ありがとうございます!」

「ああ、その時は白銀の翼のみんなや、女将さんもぜひ一緒に来てくれ!」

「えっ? 良いんですか?」

ルーナさんは嬉しそうに声を上げた。


「ああ、楽しみにしてるぜ!」


 ロイドさん達の宿を訪れる約束をすると四人は去っていった。


「良かったですね」

と声をかけてくれるルーナさんに


(これもあなたのおかげですよ)


と心の中でつぶやいた。





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