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第46話 聖剣よりも


「ふぅ、今のはかなりやばかった。これ以上は流石にやめておいた方が良いかもな……」


 ロイドさん達と分かれてから3日後、俺は上級ダンジョンの地下41階にいた。上級ダンジョンのモンスターの強さがどれほど強いのか、また、自分の修行のために、新しい階に行くたびに一体の魔物だけは、じいちゃんの刀を使わずに戦っていた。


 しかし、さすがは上級と言われるだけあり、階を追うごとにモンスターの強さは確実に増していた。


 なんとか、42階までは自分の力だけでも戦いに勝つことはできたが、今の倒した相手は本当に強かった。


 1メートルを超える巨大な鎌を持つカマキリと戦ったのだが、あと、コンマ1秒避けるのが遅かったら首を刎ねられていた。俺は首筋に薄っすらとついた切り傷を撫でると、わずかに血が付着した。


 まだ、あと一、二階下までだったら、戦って勝てるとは思う。しかし、無傷で勝てる保証も、100%の確率で勝つことができる保証はどこにもなかった。


(修行をするのはここまでにしよう。無理をしすぎて死んだらどうにもならない。今の俺の実力だけでは、ここから先は攻略できない。ここからは、じいちゃんの刀をフル活用していこう……)


 俺は攻略スタイルを変えることにした。万が一にもここで死ぬわけには行かない。まだ、この階のモンスターは戦えば勝てる相手なのかも知れないが、一か八かの勝負をするのは避けたかった。


(俺は一人なんだ。助けてくれる仲間もいない。自分の実力がじいちゃんの刀と大きく離れているのは情けないが、今回はじいちゃんの刀に頼ろう。そしてまた今度、師匠の所で修行をつけさせてもらおう。次は自分の力だけでも攻略してやる)


 懐にあるアグニに加えて、ゼウスを右手に、シヴァを腰に差し、俺は歩いて行く。すると直ぐに先ほどと同じ特大のカマキリと出会した。


 俺は直ぐにゼウスを一閃すると、カマキリは頭から尻尾の先まで縦に真っ二つになった。俺はカマキリが落としたアイテムを回収すると先に進んだ。


 俺はその後も出くわすモンスターを次々とゼウスの斬撃で切り裂いていった。今いる上級ダンジョンの深層のモンスターはA級、もしくはAA級の強さはあるだろう。


 しかし、世界最強とされる聖剣の五倍の威力を持つゼウスを使うとそれらのモンスターですらただの紙切れも同然だった。聖剣の三倍の威力を持つアグニやシヴァを使っても同様だろう。


(こんなチート武器、人には見せられないよな。絶対に騒がれてしまう。コルドさんは武器の力も冒険者の力に他ならないって言ってたけど。流石にこの武器は強すぎるよ。早くこの武器と釣り合うだけの自分にならなくちゃな……)


 俺はさらに自分を鍛えることを決めた。じいちゃんの刀の威力を見ているとまだまだ自分は成長できると思えてくる。


 しかし、今回はじいちゃんの刀をフル活用することを決めていた。俺は危なげもなく家の近所の公園を散歩するかのような心境で上級ダンジョンの深層を攻略していった。


♢ ♢ ♢ ♢


 やがてたどり着いた地下50階に佇んでいたのは銀色の鎧のような皮膚に覆われたバッファローのような生物だった。


 全てを貫くような巨大な二本角、そして遠い距離からでも感じ取れる圧倒的な威圧感からボスモンスターの強さが伝わってきた。


「これはどう足掻いてもじいちゃんの刀なしじゃ瞬殺されるな……。今の俺では全く敵わないだろう」


 俺がモンスターに近づいて行くと俺の方を見て耳をつんざくような雄叫びをあげる。


 気合いを入れるかのように俺を威嚇してくるモンスターに対し、


「いつか、本当の実力をもってお前を倒しに来るからな」


 と呟くと、上段に構えたゼウスを下に思い切り振り下ろした。


 ゼウスから発せられた斬撃はバッファローを、いとも簡単に両断すると奥の壁に深い穴を作った。


 真っ二つになり倒れているバッファローを見て俺は


 「ありがとうじいちゃん。」


と呟いた。


 



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