第34話 氷漬け
9歳の時に考えた氷属性の刀「シヴァ」の能力は三つあった。
一つ目は、刀身から氷属性の攻撃を放てる能力
二つ目は、氷を作りだしたり、その氷を操作したりする能力
三つ目は、生物を急速に凍らせたり、生きたまま解凍したりする能力
一つ目と二つ目の能力はこれまでの実験で可能なことがわかっていた。俺は、三つ目の能力を試してみたくなったのだ。この能力がもし使えたら、冷凍したままアイテムボックスに入れ、ギルドに引き渡して解凍することができる。
俺は再び探知スキルを使うと、隣の部屋を抜けて、奥に進んだ先に、50㎝くらいの生き物を見つけた。あまりみたことがない形をしている。
俺は、足音を立てないようにゆっくり近づいていくと、肉眼でも捉えることができた。銀色の金属のような皮膚が印象的なアルマジロみたいな生物だった。
(あいつも本で見たことがあるな。たしか、鋼鉄アルマジロだったっけ。確かあいつの捕獲も初心者ミッションの中にあったな)
アルマジロは俺に気付いた様子はなく、地面に倒れている木のみきを齧っていた。
(よし、試してみよう)
(瞬間氷結)
俺はシヴァを軽く降ると、シヴァから氷の結晶が放たれ、アルマジロを包み込んだ。そして、一瞬にしてアルマジロは凍りついた。
「よし、ここまではいい。次は……」
俺はシヴァを握りしめ、心の中で、
(解除)
と、唱えた。すると、アルマジロを覆っていた氷が一瞬で溶け、アルマジロは何事も無かったかのように動き始めた。
「やった! これも成功だ!」
俺は嬉しさのあまり叫んでしまった。俺に気付いたのか、アルマジロは逃げ始めた。俺は直ぐにシヴァを取り出すと、もう一度瞬間氷結をかけた。
「ふぅー、危ない危ない。また逃げられるところだった」
俺はアルマジロに近づくと後ろ足を掴んで持ち上げ、アイテムボックスの中に入れていった。シヴァの技、瞬間氷結は解除しない限り永遠に解けないはずだ。
俺は次に大型の生き物を探してみることにした。50cmの生き物には上手くいったが、さらに大きな生き物に通用する保証はなかったからだ。
しばらくの間、ダンジョンを歩き回ると目の前に体長2メートルはありそうなアリクイのような生物を見つけた。
俺はすぐさま、シヴァで瞬間氷結を放つと、みるみるうちにアリクイ型モンスターは凍りついていった。
あえて五分ほど時間をおいた後、解除をしてみたら、先ほどと同じように、アリクイは動き始めた。
(これではっきりしたな。シヴァの氷結と解凍能力はこの世界でも使える。っていうかシヴァさえあれば捕獲が超絶楽だ。まじでありがとう! じいちゃん!)
シヴァの便利さが改めてわかり、俺はテンションが上がってしまう。捕獲の問題が解決されたのならば後は、【探知】スキルを使って、全ての生物や鉱物、アイテムなどを見つけ出していくだけだ。
俺は探知スキルを広げる。
地下二階のこのフロアだけでも至る所に野菜や果物、きのこ類が存在しているのがわかる。俺は、RPGゲームでは、必ず全ての建物、全ての部屋を周り、全てのNPCと会話しなければ気が済まないタイプだった。
「このダンジョンも、全てのフロアの隅々まで、探索してやる!!」
俺はスキルを使い隅から隅までダンジョンを探索していった。




