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第33話 ダンジョン攻略開始

「おぉ、本当に転移した! すげぇな!」

 

 紋章を踏んだ次の瞬間には目の前に通路が現れた。左右の壁はレンガのようなもので出来ているようだ。壁には一定の距離を保ってかがり火が備え付けられており思ったよりも明るかった。


 床は石畳になっているが、至る所に砂や小石が散乱しており、歩くとざらざらとした感触がした。空気はモルドにいる時よりもやや寒いくらいだった。


「よーし!! 頑張るか!!」


 初めてのダンジョンということもあり、俺は気分が高揚していた。高まる鼓動を胸に早速、スキル【探知】を発動させ、辺りを探った。


 俺の【探知】スキルは師匠が考えた無茶な特別訓練により熟練度は7まで上がっていた。初めは自分の周囲5メートルまでしか探知できなかったが今では35メートルまで探ることができる。


 認めたくはないが師匠の無茶な修行のおかげだった。


「あれ?」


 しかし、探知をしてみてもあたりには生き物の気配がなにも感じられなかった。それどころか、周りに部屋や通路などなく。このフロアは目の前に続く一本道しかないことがわかった。


「ダンジョンの一階だからなにもないのかな?」

 そんなことを考えながら、通路を進んでいくと目の前には下に続く階段が現れた。


 俺は、薄暗い階段を降りていった。

 長い階段を降っていくと、今度は鬱蒼とした植物が生い茂っている部屋が目の前に現れた。前方壁、右側の壁、左側の壁にそれぞれ別の部屋に続く通路が空いていた。


 その部屋も先ほどと同じようにレンガで作られたような壁をしていたが、それを覆い隠すように様々な植物が茂っていた。


(フロアによって全然様子が違うんだな。今度のフロアはかなり暖かい。ダンジョンって凄いな)


 俺は、ダンジョンに多様性に感心しながらも、先ほどの階と同じように【探知】スキルを発動させた。


 すると、半径35メートルの中に、様々な生物や、植物やキノコなどが生息していることがわかった。俺の探知スキルは熟練度が1の時は、「なんとなく何か生き物があるな」とか、「洞窟内の通路を目で見なくてもなんとなくわかるな」ぐらいの精度だったが、今では、範囲内の光景が目で見えるまでは行かなくても、大体の光景は想像できるぐらいのレベルまで上がっていた。


「ザッ!!」


 俺は素早く動き、さっそく、この部屋の前方の壁の近くに生えている大きな植物の葉の裏に隠れているトカゲのような生き物を手で捕まえた。トカゲは黒色をしている。大きさは20㎝ぐらいだった。俺に胴体をつかまれているというのに何事もないような顔をこちらに向けてくる。

 

(んっ? なんか見たことあるぞ)

 俺はこのトカゲに見覚えがあったため、トカゲを掴んだまま師匠からもらった冒険者心得をなんとかアイテムボックスから取り出した。すると初級ダンジョンに生息している生き物の中に「発火トカゲ」というページがあり、そこに書いてある絵とそっくりだった。


「やっぱり! こいつが発火トカゲか」


 (たしかこいつは初級ミッションの生け捕り対象生物になっていた。いきなりついてるな」


「ボッ」


 俺がそんなことを考えていると突然、トカゲの身体が燃え始め、一瞬で大きな炎となりはじけた。炎の熱と光に驚き、俺は手を放してしまった。


 すると、トカゲは素早く逃げていき、部屋の出口から他のフロアへ行ってしまった。


「あー、驚いた! 発火トカゲって。ほんとに名前通りだな!」


一瞬だったため熱はそれほどではなかったが、一瞬部屋全体が赤く照らされるほど大きく膨らんだ炎に驚いてしまった。俺は、冒険者心得の発火トカゲのページに書かれている文を読んでみた。


【捕まえられると、おとなしくしているが、一瞬の隙を見て発火しその隙に逃げる】


「もう少ししっかり読んでおけばよかった」


 俺は少し自分を反省した。でも修行中は疲れすぎていていつも気絶するように眠りに落ちていったから仕方ないと言ったら仕方ない。


(今度時間があるときにゆっくり読もう)


「あれ?」

 俺が、再び探索を続けるために冒険者心得をアイテムボックスにしまおうとしているとふとあることが気になった。


「さっきのトカゲみたいな生け捕りをしなきゃいけない生物ってどうやって持って帰るんだ? 俺、生き物を入れておく入れ物なんてなにも持っていないぞ」


俺はふと気になって、冒険者心得を再び開き、生け捕りについて書かれたページを探してみた。すると、本の後ろのほうのページに


「生け捕りする際は、必ずケースや捕獲袋に入れてからアイテムボックスに入れるべし」と書かれていた。


 そうしないと、生け捕りした生物を取り出すときに脱走してしまったり、ギルド職員に危害を加えてしまうことがあると書いてあった。


「しまったな……」

俺はこの文章を読んで頭を抱えた。


(入れ物なんて何ももっていないぞ。一度買いに戻るか? いや、でも今入ったばかり出しな……)

どうしようか、しばらく考えていたら、ふと俺はあることを思いつき、アイテムボックスから脇差の「シヴァ」を取り出した。

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