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転生先では気の向くままに。  作者: ろく
2章
16/17

元気の源、鳥の唐揚げ 中

【唐揚げ】と言うのは、揚げ物ランキングを付けたら上位に食い込むべき食べ物であると私は思っている。

揚げたて熱々の鶏肉は、表面は油で揚げた事によっめサクリとしている。

それでいて、一度噛むとフワリとした鶏肉の柔らかさから、ジュワリと肉汁が染み出す。



前世で食べていた唐揚げを想像して、口腔内にじんわりと唾液が集まるのが分かる。


(…母様と父様にも美味しい唐揚げを食べてもらわなければ。)




丸々とした鶏の中のもも肉を切り出す。

鶏を横向きにし、ももに包丁を当てて切り分けていく。

もっちりとしたももの肉は、綺麗なピンク色である。


(本当に良い鶏だわ…。)


捌き終えた鶏肉を見てうっとりとした表情を浮かべる愛娘を見て、シランは何とも言えない視線を送るが、その視線にプラムは気付かないまま作業を進めていく。



鶏肉は余分な脂身と皮を取り除く。

これをする事で臭みを抑えることができるのだ。

そして一口大に切った鶏肉に下味と衣をつけ、低温に熱した油に入れていく。

ジュワーッと言う油の音と、揚げられていく鶏肉の香ばしい香りがフワリと広がる。



「良い匂いでお腹が減ってきちゃったわ。」


「ふふっ。これが唐揚げ、と言うものですよ。」



匂いに釣られ、ポツリと呟いた母様にクスリと笑う。

揚げ物の美味しそうな香りが食欲をそそるのは、どの世界でも同じなのであろう。



キツネ色に揚がった鶏肉を一度取り出し、さらに高温に熱した油に入れていく。

パチパチと爆ぜる音と共に、出来上がった鶏肉を器に盛りつける。



「母様、出来上がりましたよ。」


「美味しそうだわぁ。…ダリア、早く帰ってこないかしら。」



壁にかけられた時計を見ながら母様が呟く。



「もうそろそろ帰って来そうですね。」


「こんな良い匂いがしてたらお腹空いて来ちゃうわ…。」



香ばしい鶏肉の香りは部屋いっぱいに広がり、2人の食欲をそそるのだった。




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