7年の月日が流れまして
そして、82歳だった梅が転生し、7年の月日が流れた————。
澄み切った青い空には、雲一つなく、輝かしいまでの光が降り注いでいる。
「母様ー!」
そんな空の下、明るく元気な少女の声が静かな自宅の、小さな庭に響き渡る。
母親譲りの綺麗な栗色の髪を肩のあたりで緩く一つに束ねた少女は、あたりをきょろきょろと見渡しながらもう一度声を上げた。
「母様ー!食事が出来上がりましたよー!」
そんな少女の声に気付いたのか、遠くのほうから同じく栗色の髪をした女性が手を振りながら歩いてくる。
美しい栗色の髪を風になびかせて歩いてくる女性の手には籠が握られており、その中にいくつもの布地がしまわれている。
自分の姿を見つけて駆け寄ってくる少女の姿に、女性は穏やかな笑みを見せる。
「プラム、食事の準備をありがとう。あなたがいてくれて助かるわ。」
駆け寄って来た少女……プラムに女性が声をかける。
「ハァ…ハァ……おかえりなさい、母様!」
駆け寄ったことで乱れた息を整えながら言うプラムに向かって、「ただいま。お迎えありがとう。」と伝える女性……シランはいとおしそうな顔でプラムを見つめる。
にこやかにほほ笑みあう仲睦まじい親子の様子は、まるで一枚の美しい絵画のようである。
「今日の食事は何を作ってくれたの?」
「今日は冷やしうどんです。さっき庭で良いナスとトマトが取れたので、さっぱり食べられるようなものを作りました。」
「へぇ…。今日も美味しそうね。楽しみだわ。」
「今日は暑いので、さっぱりしたものがよいかと思いまして。」
「そうね。今日は本当に暑いものね。」
親子はそんなことを話しながら、お互いの手を取り合い小さな小屋に向かって歩いていく。
真上まで登った太陽が、ギラギラと容赦なく光を散らし、歩く二人の影を、ゆらゆらと揺らすのだった。
あの時転生した梅…もとい、プラムは、7歳となった。
彼女はプラム・フルールとして生き、季節は7年目の夏を迎えていた———。




