表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
品詞分類改革記  作者: 梶田ひまじ
1/1

プロローグ

「私は協力しないから、あんたの計画なんて!

 あんた一人でやれば?!」

「でもレシータ。君の力が必要なんだよ。

 君も望んでいるんだろ?より良い国を作ろう!」  

そう言った少年は、満面の笑みで手を差し伸べた。

コタン王国リジー地方 王国歴200年4月2日 


私の名前はレシータ。8歳。

リジー地方出身。この場所には王都が位置し、その城下町や海に面している港町には毎日たくさんの人たちが行き来していた。

特に今年は建国200年目という記念すべき年だ。だからそれはそれはたくさんの人達が街を溢れんばかりと埋めつくしていた。

私はこの港町でパン屋を営む両親と8年間楽しく暮らしていた…。

暮らしてたのに!

「えっ?引っ越すってどういうこと?」

私は思わず聞き返した。

「レシータ。よく聞いて頂戴ね。

 コタン王国には大きく2つの地方があるわよね?」

「うん!私たちが住んでるリジー地方と、貧乏な人たちがたくさんいるフーゴ地方でしょ?」

「そう。来月、私たちはそのフーゴ地方に引っ越そうと思っているの」

「嘘でしょ?!あんなところ行きたくない!」

「じゃあ、レシータ一人で残る?」

「うう…」

貧乏な人たちとなんか暮らしたくない!

でもお母さんとお父さんと離れるのもイヤだし…

「一緒に行く。」

迷った末、私は渋々行くことを決めた。

コタン王国フーゴ地方 王国歴200年5月10日 


フーゴ地方に引っ越して1週間程が過ぎていた。

私は相変わらず気怠げにフーゴの街を歩いていた。

フーゴの街は昔住んでいた港町とは違い、人通りも少なく町ゆく人々の顔には生気がまるでなかった。

(どうして、お母さんたちはここに引っ越そうと思ったんだろう?

あれから何度も引っ越しの理由を聞いてみるも、

「世界を救うの!」

と一向に本当のことを教えてくれないようだった。

私たちが行ったところで世界なんて救えるはずなんてないのに…)


暗い街中を進んでいくと、世界の片隅に光を見つけた。

この世界とは程遠い、透き通った光。

それは小走りに路地を曲がり、路地裏に入った。

好奇心に負け後を追って路地裏に入ると、そこには白銀の髪の少年が立っていた。

服は汚れ、見るからに貧相な少年だったが、その目に宿す青色の意思の強さが、貧しさを感じさせなかった。

私はただその姿を瞳に焼き付けていたかった。

見た目からしておそらく同い年位だろう…

「なんだ、お前、馬鹿なのか?」

「…!」

唐突に現実に引き戻された。

いつの間にか私と少年の周りを少年と同じような服装の子供たちが囲んでいた。

「き…気づいてたの?」

「…気付かない方が馬鹿だろ。お前馬鹿か?」

「何よ、あんた、えらっそーに!?バカバカうるさいな!」

「俺はシオウ。お前、俺の子分になれよ!」

それが私とシオウの最悪な出会いだった。

しかし、その時私は考えもしなかった。

まさかこの少年が王国を覆す大惨事を起こすなんて...


Tu be continued...

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ