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 もうそろそろかな。


 時間より早く着いてしまって、待ち合わせ15分前。

 年に数えるほどしか乗らない路線に乗って、滅多に来ないターミナル駅での待ち合わせ。


 昔のひとはどうしてたんだ、どうやってスマホ無しで見つけあうんだろうこれ。



 昨日は家の中をすっきり片付けた後は自由参加だけど受験対策の授業があったので、いつもより少ない人数の中、より集中していい時間を過ごせた。



 少しは学力もついてきてるといいんだけど…なんだか成績表には全く関係ないスキルしか上がってない気がする。


 ボトルの派手な開け方とか着付け直しとか…どこで披露するわけでもない特技。



 あ、あったわそういえば。

 今すぐ使える便利な特技。


 

 「稲葉くん、こっち」


 スカウト対象なら大勢の中からでも発見できる。

 顔面偏差値高いとうちの店に是非!ってなるんだよなぁ~。

 稲葉くん男の子だけど女の子だったら、と何度思ったことやら。



 てか待ち合わせ相手だし見付けたら声掛けるけどさぁ…

 相変わらず恐ろしいくらい…



 「早っ!おはよー委員長、珍しいねそういう感じのワンピ、可愛いよ」


 「ぅっ!ありがと」



 先に褒められてしまった。稲葉くんも確実に成績表には関係ないスキルが向上しすぎているようで。


 待ち合わせがターミナル駅だったからどこか遠出するのかな?と思って、私はフォーマルにもカジュアルにも対応できるようなオフホワイトなシャツワンピースに同系色のパンプス。

 ショルダーバッグには少しだけ小物や化粧品も入っているから多少装いは場所に合わせられる。

 

 稲葉くんもどっちにも変化させられそうな麻の紺ジャケットに肌触りの良さそうな水色のシャツ、細身のパンツを合わせている。

 


 「社会人さんに見える…」



 どう見ても大人っぽい。スーツ着て働いてる時よりも私服のほうが微塵も高校生に見えない。

 これはここに来るまでもモテただろう!

 


 「そーなんだよ!俺がこーゆー着るとフケんだよ…何で!?」

 

 頭を抱えてしゃがみ込む。

 いや、似合ってるしいいんじゃあないかな。

 


 「でも年上のかっこいいお兄さんとデートみたいで嬉しいよ?」


 「よし、バラ買っていこうバラ。真っ赤なやつ。ほら腕組んで腕」


 

 立ち直り早っ。

 手を引っ張られ、腕を掴まされる。

 うーん細マッチョ。

 筋肉がついてるってわかる弾力があるわぁ~。


 見上げて目が合えば「ん?」と笑顔でこちらの様子を窺ってくる。

 何にもないよ、とこちらも微笑み返すとまた何事もなかったかのように歩幅を合わせて色々話しながらエスコートしてくれる。

 

 素敵なジェントルっぷりに周りの視線がいたーい。



 「で、30分後に高速バス乗るからね?」


 渡されたチケットの行き先はギリ同じ県内だけど電車の走っていない北部。

 1時間半くらいで着く山奥だ。


 少し遠いのが分かったのでコンビニで飲み物と飴、ピンクのバラと色んな花がミックスされたブーケが花屋さんの店頭にあったのでそれも本当に買った。


 

 生活圏の外に出るってそう無いから遠足みたいでちょっとウキウキする。

 時間になり発車したバスの中は、マイナー路線だからなのか日曜なのに半分ほどしか埋まっておらず、快適な移動となった。


 たぶん、市内のバスは今日一日すし詰め状態なのに…なんて贅沢な!

 そして隣の稲葉くんいい香りなんですけどーー!!!



14話で言ってた日曜デートが46話(^q^)

話進むの遅っ

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