表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/205

26



 何でこう…穏やかな学生気分は一瞬で終わるんですかね…



 「みなみちゃん、私どこか遠くに行きたい…」


 「うん、とりあえず離して?」



 みなみちゃんに縋りながら目の前に広がる「どうしてこうなった」な状況に疲労感でいっぱいである。



***


 

 久しぶりに海のオレ様っぷりが発揮され、午後、久保田の家から小包が届けられた。



 授業も終わってこれから一仕事!と思って、竹田先生に押さえてもらった家庭科室へ稲葉くんと移動していたら、行き先が家庭科室ということもあり、それなら丁度いい!と双子がニカっと笑ってついてきたのだ。


 何か企んでるな…と察したみなみちゃんが着いてきてくれなかったらと思うと恐ろしい。


 


 小包から生地本を取り出して添付されている布を撫でながらある男の子はこう言った。


 「もういっそオーダーメイドで発注すればパンツも双子状態から脱せるんじゃないかなと思ってさぁ」



 何枚かの柔らかそうなサンプル生地と型紙になるであろう紙とペンを取り出した男の子はこう言った。

 

 「うちに余ってるサンプル無いか問い合わせたら肌着メーカーが扱っているものがあるっていうから持ってきてもらっちゃったんだよね」


 

 昼休みに少し掘った小玉スイカを冷蔵庫から取り出していた男の子は手を止めてこう言った。


 「え、ふたりだけってズルくない?俺も欲しい」



***



 そんな事を言って家庭科室を出て行った3人が数分後、手に布を握って帰ってきたのだ。

 そして小玉スイカと共に陳列される男子高校生の脱ぎたてぬくぬくのパンツたち。


 


 「スマホサイトで売ってやろうか、道の駅の野菜みたいに顔写真付きで」


 みなみちゃん、なんてことを!売れそうだし!!!!




 「てか自分のパンツだって縫ったことないのに!!!!」



 まぁ普通はそうよね、とみなみちゃん。

 

 「おぼっちゃまと稲葉は素人の縫製でいいわけ?」



 「「「そこに愛があればイイ」」」

 


 満場一致みたいよ、諦めなさい、とみなみちゃん。 

 ううう…精神的ダメージが回復しそうにない…

 

 「でもま、あーやをここまでヘコませたんだから制裁っ!とうっ!」



 「「「「!!!!!!」」」」



 摘んでコンロの上に!!!!てかよく触れるね!!!脱ぎたてだよ!?


 パチチチチチ…ゴゥっ!と火にちょっと掛かったところで稲葉くんがタライの水をぶっかけて救出したものの…まぁ、もう二度と穿けたもんじゃあないですよね。愁傷様。





 そんなこんなで何事もなかったかのようにカービングを始める稲葉くんを眺めながらみなみちゃんとお茶をしている。


 もうちょっと落ち着いたら私も彫り始めよう…。



 陸と海には先生を呼びに行ったら「そのまま」帰るよう、みなみちゃんの指導が入った。 

 制服の下はノーパンであるというスリルを楽しめ?とのこと。


 あの双子は寄り道して帰るらしい。…強っ。

 

 

 稲葉くんは時間が勿体無いと言って、あとでコンビニに寄るそうな。



 ・・・・・。



 「きれいな顔してるだろ。嘘みたいだろ。ノーパンなんだぜアレで」



 ゴフォォッ!!!!

 「みっっみなみちゃん!」



 「みなみの名言じゃないのが惜しいよねぇ」

 

 私の吐き出した紅茶で汚れた作業台を拭きながらそんなことを言っている。


 

 !!!


 しかもその拭いてる布は!!!!



 「ああ大丈夫でしょ、直火消毒したから熱湯より雑菌居なさそうじゃない?」



 も、もう疲れた…

 私の味方ゼロですか…



 「おら、ちゃんと練習してきてやったぞー、どれ彫るんだ」



 ガラガラと扉を開けて何も知らない竹田先生がやってきた。

 いつもは見えない後光が見えるよ…!

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ