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子守唄にレクイエムを  作者: お菓子は主食
2/2

ゴシックとロリータとジャージ

寝間着は着てはいるが全く感じさせないモノに限る。そう、究極にして至高は裸族……と、とある巨乳が言っていた

このまま引きずられたままだと顔面がR指定になるので、2人を呼び止めて起き上がった。


「ぬいぐるみさんと間違えた」

「ぬいぐるみさんと違うんだった」


ボロボロの顔と服に申し訳なさそうに、ごめんなさいと謝られた。礼儀がしっかりしたいい子たちだな。


「大丈夫。長年着ていたジャージだから、もともとボロいんだ。ただ顔はちょっと痛かった」


就寝中にここへ飛ばされた? ため寝間着のままなのは致し方ない。


「「ジャージ? 」」


やっぱり知らないか、双子特有のシンクロ率で首を傾げている。


「動きやすい快適さ、手放しにくさ、破れにくい頑丈さが売りのこの服のことだよ」


2人はゴシックやロリータを連想させるようなフリフリな寝間着姿。黒統一の建物と違い、ターナは青、ニーナはピンクのリボンに白い布生地だ。


「それって、マジョログモの糸かな? 」

「それって、百年草の繊維かな?」


「「高級品」」


2人の言っている意味がよくわからないが、ジャージは嗜好品よりの日用品であり、決して高級品ではない。ブランド物に拘るなら話は別である。


「君達の服の方が高級品だぞ」


どう見ても機械じゃない凝った刺繍が施されている。こんなに広い屋敷に住むんだ、いいとこのお坊ちゃまとお嬢ちゃんだろう。


「「なんだか、顔がぽかぽかする」」


褒められ慣れてないのか、顔がみるみる赤くなる。初々しいが、こんなにも可愛い容姿をしているのだから、メイドや執事や両親にちやほやされていると思っていたが……どうやら違うようだ。


それに広いとはいえ、とても他に人がいる気配が全くしない。2人以外に人はいないのか? そんな馬鹿な話はないと思うが。正直この子達がいてよかった。終わりが見えない廊下の静けさに身震いする。


「はっ、ニーナ早く行こう」

「そうね、ターナ行かないと」


再び2人に引っ張られながら、廊下を小走りに刺さないんだ。


♢♢♢


ここはダンジョンか、迷宮アトラクションか。


そう思いたくなるほど、下へ降りる階段が見つからない。


「僕たちずっと寝ていたから」


「大丈夫大丈夫。そのうち階段ぐらい見つかるって。例えば、そうだな〜。この部屋の中とか」


目に付いたドアを勝手に開けてみた。


「「おじさん、すごい」」


たまたまだったが、どうやらアタリだったようだ。部屋はまさしく階段のためのようで、他にインテリアが一切ない。月明かりだけを頼りに降りる。


階段が廊下じゃなく部屋に設置するとか、どういう意図でこんな構造体にしているんだ。


現代の建築には見ない方式に、ますますファンタジー要素が濃くなった。もしかしたら、宝箱が置かれている部屋や、罠や、モンスターが潜んでいるかもしれない。……今度は慎重に部屋を選別しよう。


「ところで気になったが、この屋敷には2人しか住んでいないのか? 」


それぞれ縦と横に頭を振る。いや、正しいのはどっちだよ。


「言いたくないのか? それともわからないとかか」


今度は揃って縦に振る。

なら、あまり深く追求するのはやめるか。


外へ出るでに答えが解るだろう。人がいるなら誰一人と会わずして出れるほど、この屋敷は狭くない。今は次の階段を探そう。

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