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枕の下に 希望の上に(11)

軽石デフォルメ

「生きる」という形は

選べない物だ

生まれた瞬間から

運命も使命も関係無く

「生きる」は義務となる

細胞分裂を繰り返して

形になったのなら

最後の瞬間まで

抗うべきだ

運命も使命も関係無く

命の時間に貯金は無い



四足歩行の動物が

一本の足を折りながら

逃げて逃げて

辿り着いた場所で

折れた箇所を舐めている

いつしか毛はまばらになり

歪な形で骨は繋がる

カクカクと

独特のリズムで走りながら

野山を駆けて行く

それは美しい姿だ

誰が見ても

それは美しい姿だ



敵の不在は

人間を歪にして行く

元々は

死ぬかもしれない世界で

懸命に生きた動物だ

身の危険を感じながら

狩りをしてこそ人間だった

死ぬ事は無い国で

生きている僕等は

誰かを貶める事で

のうのうと生きている

身の危険を感じながら

狩りをしているのと

同じなのだ



動物園の動物が

野生とは違う行動を取る

歪になった人間も

安全安心の中で

同じように行動している

それだけかもしれない

本来の暴力性を

隠しながら生きている

人間の形を盲信しては

他人に許容させる為に

教育をしているのだから



災害を仕方ないと理由付けし

争いは良くないと理由付けし

傷つける事も認めない事も

するべきでは無いと理由を付けた

人間は人間を見るようになり

人間は人間で争うようになる

それを止めれば

人間は手頃な弱い人間で

それを解消するようになった

場を小さくして

継続されているのは

人間の習性になっているからだ

教育では正せない物だ

生物は自由なのだから



抗えない者は

好きなように扱われて

既に準備されている塵箱へと

捨て去られる

噛み締め耐える歯も無い

そんな人間は

ただ生きる事だけをやれば良い

争えない者は

嫌悪感を抱かれて

既に準備されている銃火器で

処刑される

通りたい道も意識も無い

そんな人間は

ただ生きる事だけをやれば良い

我を通せない人間に言える事は

誰かの操り人形に

なれば良いという事だけで

それを安心安全にしてしまうのなら

僕は

ただの動物で居たいと思う

他人を傷つけながら

暴虐的に振る舞い

それを種に

笑いながら暮らすのだ



とある人は

自分らしさが

暴力的である人間へ対して

「それを自分らしいと言わないで」

なんて言った

どの口が言うのだろう

はたして

何方が傲慢だろうか

キャラクター不在にでも

世の中をしたいのか

それぞれにある幸福感を

排除しようとする者は

誰かにとっては危険人物だろう

火種という物は

世界で一番綺麗で

誰もが納得しそうな物でも

存在する

この世に正しさは無い

あるのは納得だけだ

社会という名の動物園に

住んでいる人間の

歪になった習性なのだ
















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